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国際フェアトレード基準

概要

「国際フェアトレード基準は、国際フェアトレードラベル機構によって設定されるフェアトレード全般に関する基準です。これらの基準は、基準委員会(Standards Committee)と全てのステークホルダー(フェアトレードに参加する生産者や貿易業者など)によって、定期的に見直されています。

基準は、「生産者の対象地域」、「生産者」と「トレーダー(輸入・卸・製造組織)」のそれぞれが守るべき包括的基準と、対象産品毎に定められた「産品基準」で構成されています。生産者とトレーダーは、包括的基準と産品基準の両方を守り生産や取引を行う必要があります。

生産者とトレーダーが守るべき主な項目は、下記表1の「経済的基準」、「社会的基準」および「環境的基準」に大きく分ける事ができます。


表1 国際フェアトレード基準概要
経済的基準社会的基準環境的基準
▶フェアトレード最低価格の保証
▶フェアトレード・プレミアムの支払い
▶長期的な安定した取引
▶前払い
▶安全な労働環境
▶民主的な運営
▶労働者の人権
▶地域の社会発展プロジェクト
▶児童労働・強制労働の禁止
▶農薬・薬品の使用に関する規定
▶土壌・水源の管理
▶環境に優しい農業
▶有機栽培の奨励
▶遺伝子組み換え(GMO)の禁止

国際フェアトレード基準の最大の特徴は、生産コストをまかない、かつ経済的・社会的・環境的に持続可能な生産と生活を支える「フェアトレード最低価格」と生産地域の社会発展のための資金「フェアトレード・プレミアム(奨励金)」を生産者に保証している点です。
フェアトレード最低価格とプレミアムは、生産地域の物価・経済状況等と、買い手側の意見を考慮し綿密な調査と総合的な判断により、産品ごと、生産地域ごとに明確に設定されています。

フェアトレード最低価格とプレミアムの検索

生産者の対象地域

生産者の対象地域は主に世界の開発途上国です。

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国際フェアトレード認証対象産品

国際フェアトレード認証の産品となっているのは、以下の産品です。

食品

産品名分類される代表的な製品
コーヒー焙煎豆
生鮮果物バナナ、りんご、アボカド、ココナッツ、レモン、オレンジ、ワイングレープ
カカオチョコレート
スパイス・ハーブスパイス: バニラ、クミン、コショウ、ショウガ、シナモンなどハーブ・ハーブティー:ルイボス、ハイビスカス、カモミールなど
蜂蜜蜂蜜
ナッツカシューナッツ、胡桃、アーモンド、マカデミアンナッツ
オイルシード・油性果実ごま、オリーブ、大豆など
加工果物・野菜ドライフルーツ、フルーツジュース、ドライ野菜
サトウキビ糖砂糖
紅茶、緑茶など(※ルイボスティーは、ハーブに分類)
野菜(豆類・じゃがいも等を含む)ピーマン、メロン、ジャガイモ、ひよこ豆、レンズ豆など
穀類米、キヌアなど

食品以外

産品名分類される代表的な製品
繊維コットン
バラ、カーネーションなど
スポーツボールサッカーボール、フットサルボールなど
木材家具、床材など

より多くの開発途上国の生産者がフェアトレードに参加できるよう、国際フェアトレードラベル機構は対象産品を増やしていく予定です。対象産品を増やすことは、認証製品の多様化をもたらします。より多くの組織がフェアトレード製品を取扱うことにより、フェアトレード認証ラベルの認知向上とフェアトレード製品の市場拡大が期待されます。

産品基準(小規模生産者)

産品基準(農園タイプ)

生産者が守るべきフェアトレード基準(包括的基準)

生産者が守るべき包括的基準(Generic Standards)は、2つの種類に分けられます。
小規模生産者組合向け基準(Generic Fairtrade Standard for Small Producer Organizations)
協同組合またはその他の民主的に利益を共有する団体の中で働いている小規模自作農に適用
農園従事者向け基準(Generic Fairtrade Standard for Hired Labour)
農園従事者と工場従事者に適用

2011年7月1日に改定された新しい枠組みでは、基準の各項目は「中核(core)」項目と「発展(development)」項目との2つに分けられています。中核項目はすべて満たさなければなりませんが、発展項目に関しては全体の総合平均で評価されます。つまり、全基準項目について均等に守っていくというよりは、生産者自らでどの分野に重点を置くかを選択・決定することができ、組織や地域発展のために一番適した方法をとる事ができるようになりました。また、生産者は自分たちの組織の発展計画を立て自らでモニタリングし、プレミアムの使途や環境保対策など活動を記録・報告していきます。

==生産者基準の概要==

 ■社会 
生産者は組合を作り、透明性のある民主的な活動を行う。 安全な労働環境、人権の尊重、人種差別・児童労働・強制労働の禁止などILO条約(国際労働条約)を守る。

 ■経済 
商品代金とは別に支払われるプレミアム(奨励金)を民主的に運用し、組織と地域全体の社会・環境にとって持続可能な発展に取り組む。 また付加価値の向上や品質管理への取組みなどを通して生活向上を目指す。

 ■環境 
農薬・薬品の使用規制、農薬・薬品を取り扱う生産者・労働者の健康・安全対策の強化、廃棄物の適正管理、リサイクルの促進、土壌・水源の保護、生物多様性の保全と向上、遺伝子組み換え作物の禁止などの環境に関する基準を守る。

トレーダー(輸入組織、製造組織、卸組織)が守るべきフェアトレード基準


トレーダーが守るべき主な国際フェアトレード基準には以下があります。

■認証 -フェアトレード認証原料の売買に関わる組織は全て監査を受け認証を得ていること
■トレーサビリティの確保 -フェアトレード認証原料は通常品と混ぜることなく区別して管理 していること
■契約 -生産者と取引業者は国際フェアトレード基準に則り双方が合意して透明性のある契約を結ぶこと
■持続的な取引の促進 -生産者が安定した生活を営み、品質向上や環境に配慮した生産に取り組めるようにすること
■前払いの保証 -生産者が債務のわなに陥ることがないよう、生産者からのリクエスがあれば代金の前払いを保証すること
■価格の保証 -不安定な市場価格に対して、フェアトレードでは持続可能な生産と生活に必要な価格を保証すること

▶トレーダー基準(英語) Generic Fairtrade Trade Standard

▶トレーダー基準の日本語訳はこちら


生産者と直接取引をする輸入組織は、市場がどんなに下落していても取引する生産者組合、農園・工場に最低価格を保証しなければフェアトレード認証を受けることができません。例えばコーヒーの場合、ウォッシュドアラビカのフェアトレード最低価格は1ポンド(約454g)当たり1.40米ドル、有機認証のコーヒーであればさらに0.30米ドルの上乗せが保証されています。(図1参照)
さらに輸入組織は、品物の代金とは別に、組合や地域の経済的・社会的・環境的開発のために使われるプレミアムを生産者組合に支払います。 (例: コーヒーの場合  20 USセント/ポンド)

図1 アラビカコーヒーの国際市場価格の推移
フェアトレード最低価格 出所:Fairtrade International

※国際市場価格がフェアトレード最低価格を上回ったときは、それに連動してフェアトレードの買入価格も上がる。

経済的基盤の弱い途上国の生産者にとって、変動の激しい国際市場の価格は時に生産コストを大幅に下回り、貧困に拍車をかけ、生産を継続できない状況へと追いやってしまいます。フェアトレード最低価格とプレミアムを保証することで、国際価格が下落しても生産者は正当な代金を得て、自らの力で持続可能な生産と社会開発を実現することができるのです。