2010年7月14日 なぜフェアトレード?
コーヒー
コーヒー生産国のほとんどは、いわゆる開発途上国といわれる国々です。コーヒー豆の買取価格は、生産現場とは遠く離れたニューヨークとロンドンの国際市場で決められます。国際市場価格は変動が激しく、ときに生産コストを大幅に割り、貧困に拍車を掛けてしまうこともあります。せっかく丹精こめて作ったコーヒー豆の収穫を迎えても、市場へのアクセスがなく社会的立場の弱い生産者たちは、中間業者の言い値で買い叩かれて生産コストすらまかなえなかったり、子どもを学校に行かせるだけの十分な利益を得られなかったり、ということが起こってしまいます。
参考:アラビカコーヒーの国際市場価格とフェアトレード価格の比較グラフ(PDF書類)
国際フェアトレード基準では、生産者の持続可能な生産と生活を支えるために必要な「フェアトレード最低価格」が定められており、国際市場価格がどんなに下落しても、輸入業者は「フェアトレード最低価格」以上を生産者組合に保証しなければいけません(例えば、アラビカコーヒーのフェアトレード最低価格は1ポンド125セント。有機認証のコーヒーだとさらに20セント上乗せ保証)
さらに、1ポンドあたり10USセントのプレミアム(奨励金)が輸入業者から生産者組合に保証され、それによって生産者組合は、自ら民主的に使途を決定して、生産技術の向上や機材の購入、または地域の小学校や病院の建設といった社会発展を実現させることが可能になります。例えばレギュラーコーヒー150g製品の場合、プレミアム金額は約4円。コーヒー1杯に換算すると0.3円程度。「たったのそれだけ?」と思われるかもしれません。しかし、コーヒー1袋、コーヒー1杯に換算すると小さな金額でも、通常コーヒー生豆は10トンとか100トンといった大きな単位で取引されますので、生産者組合が手にするプレミアムは30万円、300万円、というまとまった金額になり、生産地域の社会発展に大きな成果が表れているところも数多くあります。
フェアトレード最低価格とプレミアムの保証により、生産者は安定した生活を送り、環境に無理な負荷を掛けることなく良質な作物づくりに励むことができるのです。
カカオ製品
>開発途上国では実に、1400万人もの人たちがカカオ生産によって生計を立てていると言われています。日本人も大好きなチョコレート。その原料であるカカオ豆はどこでどのように作られて私たちの手に届けられているのでしょうか。
開発途上国が抱える深刻な問題の1つに、児童労働があります。その数は2億1800万人、実に世界の子どもの7人に1人にあたります。その温床の一つとして近年明らかになってきたのが、カカオ豆の農園の状況です。児童労働が起こる要因には、社会の慣習や伝統、文化的背景、教育制度や福祉制度の未整備もありますが、多くの場合、経済的「貧困」がほとんどだと言われています。
国際フェアトレード基準では、児童労働を禁止し、安全な労働環境を保証しています。そしてなによりも児童労働を生み出す「貧困」の連鎖を断ち切るため、乱高下する国際市場価格に対し、生産者が対価を得られるよう、持続可能な生産と生活を支えるフェアトレード価格を設定しています。フェアトレードにより生産者が適正で安定した収入を得ることができれば、子どもを働きに出すようなこともなくなります。フェアトレードで得たプレミアム(奨励金)では、生産者たちが自ら地域の教育や医療など社会基盤の充実を図ることも可能になります。また、フェアトレードでは環境面でも厳しく基準が定められており、森を破壊したり、危険な農薬を使ったりすることなく自然環境を守りながら生産されているのです。つくる人も食べる人もハッピーになれるフェアトレードチョコレートを選んでみませんか?
茶類
水に次いで世界で最も飲まれる飲料の一つ、お茶。毎秒15,000杯の茶が世界で飲まれています。
インド、スリランカ、東アフリカ諸国の茶園のほとんどは、イギリスの植民地時代に造られたもので、現在でも世界の茶生産は大規模なプランテーション型が多く、小規模生産者は少数派です。
茶園で働く労働者への低賃金や劣悪な労働環境などの問題は、ここ最近の茶葉の市場価格下落により、さらに悪化している地域もあります。
フェアトレードでは、労働者が適正賃金を受け取り、安全で衛生的な労働環境が守られるように定められています。また茶葉代金とは別途、労働者の合同委員会にはプレミアム(奨励金)が保証され、地域の発展のために活用されています。次は、インドのプタリホラ茶園の茶摘労働者ジョリ・ラリさんの言葉です。
"私たち合同委員会では、プレミアムの一部で全従業員への電力供給支援を行うことにしました。私の子どもたちもこれで夜でも勉強することができるようになります。他には、従業員が自家栽培の野菜販売など小規模ビジネスを始める元手の貸付もプレミアムで行っています。"
花
バラやカーネーションなどの切花にもフェアトレード認証製品があることは、意外にまだ広く認知されていません。世界の切花はそのほとんどが大規模なプランテーションで生産されていますが、そこで使用される農薬や汚水が適切に処理されずに環境に大きなダメージを与えたり、農薬を散布する労働者へ十分な防護服が提供されずに健康被害をもたらしたり、低賃金で働かされたりといった問題が指摘されてきました。
そこでフェアトレード基準の設定を求める声が強まり、2004年、切花にも国際フェアトレード基準が設定されました。以来、日本でも2006年から一部のスーパーマーケットや花屋でフェアトレード認証のバラやカーネーションが販売されています。フェアトレードフラワーは、ケニアやタンザニアを中心とした東アフリカ諸国と、コロンビアやエクアドルなどのラテンアメリカ諸国で多く生産されています。
さまざまな場面で特別なときを演出してくれるお花が、実はその裏側で環境や生産する人たちを苦しめていたら悲しいですね。今度のお祝いや贈り物には、環境にも作る人たちにも優しいフェアトレードフラワーを選んでみませんか。
スポーツボール

サッカーボールはどこでどのように作られているのでしょう?
世界のサッカーボールの70%以上がパキスタンで生産されています。その多くがなんと一つ一つ手縫いで作られているのです。労働賃金が低く、児童労働の温床になっていることが1990年代に明らかになってきました。児童労働によるボール縫製に批判が出始めたのは1994年ごろからで、インドでは約1万人(98年)、パキスタンでは約7000人(96年)の児童労働が指摘されました。
こうした労働環境を改善し、児童労働をなくすための働きかけの一つとして、フェアトレードサッカーボールへの取り組みが生まれました。フェアトレードサッカーボールは、工場労働者へ適正賃金や安全な労働環境が保証されているだけでなく、ボールの買取価格とは別に、ボール価格の10%にあたる金額がプレミアムとして輸入業者から工場労働者の合同委員会に支払われ、生産地域の教育や福祉のために役立てられています。
サッカーボールだけでなく、フットサルボール、バレーボール、バスケットボール、ラグビーボールなどのフェアトレードボールもあります。フェアトレードボールを使ってフェアプレイを!日本でももっとフェアトレードボールが広まって欲しいですね。
コットン
世界70カ国以上で、およそ1億世帯がコットン生産に従事しています。特にカメルーンやマリなどの西アフリカや、インド、パキスタンといたアジア地域の開発途上国にとっては、国の経済や人々の生活を支える重要な輸出農産品です。コットン貿易の影にもまた先進国に有利な不平等な構造があり、開発途上国の多くのコットン生産者は、生産コストすらまかなえない低価格の厳しい状況を強いられています。また、天然素材の代名詞のようなコットンですが、世界中の農耕面積の約3%足らずの栽培農地面積にもかかわらず、世界で使用される殺虫剤の約16%、農薬全体の約10%がコットン農場で使われているという報告があります(PESTICIDE ACTION NETWORK, 2007)。国際的には使用禁止の危険な農薬も、途上国では未だに使用されていることもあり、環境に大きなダメージをもたらすばかりか、生産者の農薬による中毒死や健康被害も深刻です。
国際フェアトレード基準では、危険な農薬を禁止するだけでなく、オーガニック栽培を奨励するため生産者へは価格の上乗せも保証されます。例えば西アフリカのマリ共和国では、フェアトレード認証を取得しオーガニック農法への切り替えを進める村が増えています。これにより、農薬が原因だったと思われる病も無くなり、人々の健康が改善されました。さらに、、オーガニックコットンからより多くの収入を得られるようになり、フェアトレードのプレミアムを使って村には小学校や備蓄倉庫、識字教室などが作られました。村人たちが自らの力と意思で社会発展を実現させています。
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