フランスのフェアトレード規格化の動き

フランス工業規格化委員会(AFNOR)は、2005年末にはフェアトレード基準についてまとめ上げる予定になっている。こうした動きに対して従来から基準を持つマックス・ハベラーをはじめとする市民団体からは「基準の陳腐化」として非難の声が上がっている。一方、大手流通業者からはマーケティング戦略として人気の出てきたフェアトレードをより自由に扱えるようになるとの思惑も見え隠れしている。

 2002年にFLO主導によりフェアトレードの国際基準が制定されたが、この基準には、なんの法的拘束力もなく、フェアトレード自体が成長してくるにつれ、関係者各方面から不満の声が上がってきた。消費者からは基準がわかりにくい、信頼性に乏しい、また、流通業者からは、品数が増えるに従い、非政府組織の規格では使い勝手が悪いという意見が上がってきた。フランス政府としてはフェアトレードに肩入れする以上は、公的基準を設定して公明正大に基準を運用する必要があり、政府は税制特例措置などの導入も考慮にいれている模様である。

 2001年、フランス社会党ジョスパン政権は、AFNORに対してフェアトレード公的基準を検討するように指示を出し、2005年初頭にその草案が関係者に提出されたが、マックス・ハベラーをはじめとする市民団体関係者からは酷評された。

1.生産者に対する最低保証価格が設定されていない。

2.生産者が団結して組合を結成し、交渉権を確保する重要性について明記されていない。

3.フェアトレードの教育的政治的役割についての記述がない。

4.フェアトレードが、従来の国際貿易の不公正な慣行を変革するためのテコなるということが一言も触れられていない。

 

上記の事項が、市民団体が今回の草案を評価しない理由であるが、公的基準を一旦導入することになれば、当然、彼らの社会的役割は終了するという現実もある。

 公的基準は従来の市民団体の基準と比較した場合、穏やかなものであり、一般企業にとっては使い勝手は当然、前者であり、いわゆる基準の2本立て、3本立てとなった場合、貨幣と同様、「悪貨は良貨を駆逐する。」ということになる。すなわち輸入業者や流通業者は、高い基準を求める団体は、コストの面から敬遠するようになり、基準の緩い団体に移行する。ここでは、公的基準がそれに該当する。結論として緩い基準を採用する中間業者の取り分が増えるか、低価格化により顧客を囲い込むということになると予想される。


 これは1980年代、ヨーロッパで有機栽培の基準を巡って民間団体の基準と公的基準がぶつかり合った際の教訓である。有機栽培の基準に関し、栽培方法を超えてより厳格に定めていた民間機関は淘汰されてしまった。

基準の設定を巡ってはイタリアの有機栽培製品をプラスチックで過剰包装したものをトラックに積んで運んでフランスのスーパーに並べたものについても有機製品として扱うのは、おかしいという批判があり、同類の批判としてフェアトレードについても流通過程のごく1部分がフェアーになったに過ぎないのではないかという批判がある。こうした観点からフェアトレードに公的基準を導入することには無理があるのではないかといった声が聞こえてくる。

また、フェアトレードでは市民団体本来の意図である従来の国際貿易慣行を変革する、有機栽培では自然とのかかわりを抜本的に考え直すといったコンセプトが骨抜きになることが懸念されている。

農業補助金問題、アフリカ地域の利権を抱えるフランス政府が、アリバイ作りのためにフェアトレードを政策的に利用しようという意図もあり、フェアトレード関係者とは同床異夢の関係にある。この構図は他のヨーロッパ政府についても同様であり、ヨーロッパではフェアトレードのあり方について新たな局面を迎えていると言えるのではないか。今後の展開が注目される。


フェアトレード・ラベルの創始者バンダルホフ氏がシラク大統領より騎士章受勲


訳注:騎士章(レジオンドヌール)1802年ナポレオン1世の創設。国家への功労者に授与される。

  フランス大統領に招待されたフランシスコ バンダルホフ氏は5月14日、騎士章を授与され、騎士章受勲者となった。フランシスコ バンダルホフ氏はマックス・ハベラー・ラベル(フェアトレード・ラベル)の創始者であり、国連総長コフィ・アナン氏、トニー・ブレアー氏、世界中の企業の責任者150名が見守る中、この名誉ある勲章が授与された。

 国連のグローバル・コンパクトの毎年行なわれる定例総会においてジャック・シラク大統領によりこの勲章が授与された。国連総長コフィ・アナン氏の発意によるグローバル・コンパクト会議とは、企業に持続的発展に取り組んでもらうためのプログラムの一環である。本年度はフランスがこの定例会議の開催国となった。フランシスコ バンダルホフ氏は、氏の人間を中心に据えた経済システム構想を紹介するためこの会議に名誉参加した。

フランス大統領はこの人間を中心に据えた経済システムであるフェアトレードに対して敬意を表し、次のように語った。「先進国の消費者と途上国の生産者の間で社会倫理に基づいた契約を履行していくフェアトレード、この活動が素晴らしい成功を収めていることを頼もしく感じている。」またシラク大統領は次のように言及した。「ますます多くの市民が、より人間らしい経済システムやより多くの人々との連帯感が共有できる形のグローバリゼーションを熱望している。我々はこうした多くの市民の声を既に無視することはできない。」

シラク大統領は「現代においてもっとも徳の高い人物の一人である。」とフランシスコ バンダルホフ氏を評し、ホフ氏は途上国の多くの生産者を代表してこの名誉ある勲章を頂くことに同意した。氏は、氏の国際的連帯構想を披露した。

その午後、フランシスコ バンダルホフ氏はフランス外務省で行われた世界中の企業の代表者が出席した円卓会議に出席した。この席で氏は将来に資することがない新自由主義政策の弊害について、またフェアトレードがもう1つの違った貿易モデルとなることができる現実的選択肢であることについて演説した。

氏の著書「公正なる世界を構築しよう」(Flammarion社)のなかでホフ氏は、従来の先進国からの支援や開発様式に異議を唱え、フェアトレードの大原則を記述するにあたって氏の大地での自らの経験に基づいて語っている。「フェアトレードは経済を効率化させるだけではなく、社会的環境的に持続性のある経済を発展させていく。こうした観点を経済コストとして捉え、内包していく必要がある。なぜならば人類及び環境が持続していくためにはこうした手段が必要不可欠であるからだ。それゆえ経済改革が必要なのだ。従来の経済手法を一刻も早く改めることが世界共通の目標だ。持続的経済か、それとも短中期的有効性しかもたない経済かの選択と言えよう。

フランシスコ バンダルホフ氏は、初めて先月の5月6日フランス大統領に面会し、その際に氏の著書を手渡した。フランス商業、職工、自由業などの中小企業や消費者連盟を代表するクリスチャン・ヤコブ大臣は、現政権のメンバーとして初めてメキシコにある氏が“労働者神父”として活動している協同組合(UCIRI)において現地訪問を果たした。


■ マックス・ハベラー・ラベルの認知度さらに高まる

 マックス・ハベラー・ラベルの創始者であるフランシスコ バンダルホフ氏は、初めて先月の5月6日フランス大統領に面会し、その際に氏の著書を手渡した。フランス商業、職工、自由業などの中小企業や消費者連盟を代表するクリスチャン・ヤコブ大臣は、現政権のメンバーとして初めてメキシコにある氏が“労働者神父”として活動している協同組合(UCIRI)において現地訪問を果たした。氏はフランス大統領の招待により毎年行なわれる国連のグローバル・コンパクトの会議に出席することとなった。国連議長のコフィ・アナン氏と並んで会議に参加することとなる。Hoff氏は、この機会を通じてフェアトレードとは新自由主義や単なる施しとは異なるもう1つの選択肢であるとその真価を主張することであろう。

フェアトレード週間に続いて国連がフェアトレードを認めたという快挙によりその知名度はさらに高まるであろう。現在、マックス・ハベラー・ラベルを認知しているフランス人は23%から32%に急上昇。フランス人の2人に1人はフェアトレード製品を既に購入したことがあると答え、ほとんどの人々がマックス・ハベラー・ラベルを信頼しているとの結果が明らかになった。フェアトレード・ラベルとして市民にとっても公的にもその知名度が上昇したと言える。下記にFrancisco Van der Hoff氏の今回の国連会議参加に関するより詳しい資料を添付した。 

フェアトレードとマックス・ハベラーその知名度は着実に上昇 フェアトレードが日常生活に入り込む

多くのフランス人はフェアトレード週間により国際貿易のもう1つのあり方であるフェアトレードについて認知するようになった。最新の調査結果(1)によれば74%のフランス人は既にフェアトレードについて聞いたことがあると回答。昨年の同時期は56%に過ぎなかった。全体で49%のフランス人は既にフェアトレード製品を購入したことがあると回答。このうちの73%の人々はコーヒーを購入したとのこと。フェアトレードを知っているフランス人の67%は既にフェアトレード製品を購入したことがあると回答。

マックス・ハベラー・ラベルがフェアトレードの目印となる

マックス・ハベラー・ラベルを認知しているフランス人の割合は同様に23%から32%へと急上昇を遂げている。ラベルは市民にとってフェアトレードの概念と結びつく一番有名な名称となっている。ラベルを認知している人々のうち、57%は既にマックス・ハベラー・ラベル製品を購入したことがあると回答。このうち定期的に購入していると答えた人々の割合は17%から26%に上昇。またときどき買うと回答した消費者は43%に留まった。最後にマックス・ハベラー・ラベルを認知している人々の大半は、小規模生産者に確かな買い付け価格を保証しているとしてラベルに信頼感を持っていることが明らかになった。

今年のフェアトレード週間では、フェアトレードを理解してもらい、フェアトレードが既に途上国の多くの生産者に対して与えてきた展望について一般市民により広く認知してもらうことが目的であった。4月30日から5月15日にかけてフランス全土17都市を9人の生産者が駆け回った。地方で活躍する45団体と500人以上のパートナーが各地方においてフェアトレードに関する2300の催し物を実施した。(1) 調査結果はマックス・ハベラーの依頼により調査会社であるIPSOにより実施された。5月20日と21日にかけて1023人のフランス人をサンプルとして2004年6月11日と12日に939人を対象として実施された調査結果と比較した。

マックス・ハベラー創始者、より公正なる貿易の重要性をより高度な場で主張

マックス・ハベラー・ラベルの創始者であるフランシスコ バンダルホフ氏は、新自由主義や単なる施しとは異なるもう1つの選択肢としてフェアトレードの重要性について来週に特別の演説を行う予定。 フランス大統領の招きにより氏は、コフィ・アナン国連議長やシラク大統領、世界中の企業代表者150名を前に自らの信条を述べる。

来る6月14日にマックス・ハベラー・ラベルの創始者である氏はアナン国連議長を長とする毎年開催される国連グローバル・コンパクトの定例会議にフランス大統領の招きにより出席することとなった。Francisco Van der Hoff氏はフランス大統領官邸において氏の国際的連帯構想に関する演説を行う予定。その午後には氏はフェアトレードに関する円卓会議に出席して開発経済方式のあり方などを巡って発言することとなっている。この会議はフランス外務省で行われ世界中の企業の代表者が出席することとなっている。

アナン国連議長によるグローバル・コンパクト会議とは企業に持続的発展に取り組んでもらうためのプログラムの一環である。本年度はフランスがこの定例会議の開催国となった。企業150社近くがフランス大統領の招聘を受け、各企業の持続的発展への取り組みを紹介することになっている。

グロ−バル・コンパクトは発展のためのミレニアム目標(OMD)の一環である。2000年に国連加盟国が2015年までに達成するべき目標を定めた。その目標とは、飢餓、教育、乳幼児の死亡、飲料水の確保、医療などに関する8つの事柄に取り組むことにより世界の貧困を半減させようというものだ。2000年から5年たった現在、目標達成猶予期間の3分の1が経過したが、大部分の国においてOMDは達成不可能な状態である。マックス・ハベラーではこうした経緯より「2005年言い訳は聞きたくないキャンペーン」に参加している。

ホフ氏はこうした目標をさらに超えて、自由経済システムに対抗できるもう1つのモデルを提示しようとしている。「私は大統領と招聘を受け入れた理由は、貿易一般について、将来に資することがない新自由主義政策の弊害について、フェアトレードがもう1つの違った貿易モデルとなる現実的選択肢であることについて政治論争のきっかけを作りたいからです。」

オランダ出身の氏は、メキシコIstmo地区の小規模コーヒー栽培者と共に30年来生活している。氏は65歳で神学、政治経済で博士号を持つ。生産者の社会的権利と彼らの環境をより重視した尊厳ある貿易による製品を従来の流通経路に流通させるべきだという考えを持つ。

氏の著書「公正なる世界を構築しよう」(Flammarion社)のなかでf氏は、従来の先進国からの支援や開発様式に異議を唱え、フェアトレードの大原則を記述するにあたり氏の大地での自らの経験に基づいて語っている。

詳しくは
www.un.org/french/globalcompact
www.2005plusdexcuses.org


■バンダルホフ氏フランス政府に呼ばれる

ヌーベル・オブザバター(フランス高級週刊誌)2005年5月26日から6月1日号

フランシスコ神父

フェアーとは何か?

執筆Claude Soula

 市場機能が作用するのを待つよりも生産者と消費者の連帯関係を構築することによりルールを変革しよう! メキシコの山奥で貧者と共に生活することを選択したインテリフランシスコ バンダルホフ司祭のプロジェクト。

 “フランシスコ神父”がパリに招待された。メキシコの貧村に12ドルの生活を送っている氏は労働者でもあり司祭でもある。56日にジャック・シラク大統領はフランシスココ神父を大統領官邸に招いた。その前日には自然歴史博物館で行なわれたフェアトレードに関する討論会の主役を務めた。信者からのプレゼントである青いジーンズのシャツ、サンダルに白い靴下という格好で“フランシスコ神父”はフランスの各省庁の大臣(中小企業担当大臣Christian Jacob,経済産業担当大臣Francois Loos)たちと討議を交わし、またフランスの代議士、哲学者、作家、経済学者、精神分析医といった各界知識階級の人々と討論した。“フランシスコ神父”は素朴で思い上がることもなく討論を楽しんでいたようだ。アイデアを交換することが何よりも楽しいのだ。「神父は人々と話し合うのが何よりもすきなのだ。」と氏の友人であるカフェ・マロンゴ社のJean-Pierre Blanc氏は強調する。Jean-Pierre Blanc氏は今回の討論会を企画し、同時に政治と経済の融合を訴える著書を出版した。(「公正なる世界を構築しよう」Flammarion出版:188ページ 18ユーロ)

アメリカ帝国主義を一刀両断する氏は、生産者と消費者の間に連帯感に基づいた新しい形の貿易に関する論理を打ち立てた。この貿易の目的はただ単に市場の論理により価格を決めるのではなく、生産者の努力に応じて報酬を支払うというものである。市場の論理は途上国において生産者を絶対的貧困に追いやっている。もう1つの貿易を標榜する原理主義者は大手スーパーがフェアトレード製品に関与することについて非難しているが、氏によればフェアトレード製品は、より多くの消費者の手元に届くように大手スーパーでも流通するべきであると語っている。尊厳と実用主義の問題であるが、重要なことは氏を悩まし続ける蔓延する貧困を撲滅することである。

 フランシスコ神父は貧困の現状に対して慣れることも鈍感になることもなかった。神学と政治経済で博士号を持つフランシスコ神父に最も印象に残っている事柄を語ってもらった。それは神父の祖国であるオランダから友人がやってきて神父の住むメキシコのオハカ地域を案内していた日のことである。2人が村の間を車で移動している際に道路の隅にインディオのおばあさんが薪の上に座り込んでいたのが目に入った。神父は車を止めて、バックさせた。「どこに行くのだ?あなたはいつからそこに座っているのだ?」と神父が尋ねると「私は待っていたが、誰も私のことを気にも留めてくれなかった。」老婦人は神父にそう答えた。彼女は50キロの薪を背負って村までまださらに6時間近く歩かなければならなかった。「社会からの疎外、忘却、搾取。私はその日の老婦人との出会いをけして忘れることはないであろう。後になって必要なのは書物でなく、目を開くことであり、手を差し伸べることなのだとわかった。私が住む山のなかで人々は厳しい生活を余儀なくされている。しかし彼らと共に暮らすことは一種の特権である。彼らの目を見ることは神を見るのと同じだ。」神父はここで一息つき感極まった様子であった。「人生は複雑ではない。観察するだけで充分理解できる。」

 当然学習も必要であった。フランシスコ神父は、他者への配慮という才能を苦しいが幸せであった幼少時代から身につけていた。「我が家は貧しかったが惨めではなかった。」16人兄弟の6番目の子どもとして農民の家庭に生まれた。神父の両親は神父が生まれる直前に宗教上の理由からオランダ南部のBraband地区に引越し、わずかな土地に数頭の牛を飼って生活をしていた。「Friseから引越することにしたのは、その地域にカトリック教徒がごくわずかしかいなかったことからカトリック教徒を受け入れる学校がなかったからだ。」兄弟と同様にフランシスコ氏は、学校に通う前に牛の世話や父の農場を手伝うために毎朝4時に起床していた。12歳の時には、こうした厳しい環境にもかかわらず成績優秀であったことから奨学金を支給され、カトリックの寄宿舎に入った。フランチェスコ神父は労作業への情熱を失わなかった。「神は私に祝福するための手を授けてくれたと同時に働くための手を授けてくれましたとジャック・シラク大統領に言いました。」フランシスコ神父は頭脳明晰でもある。1960年代は学生運動の活動家であり、様々な思想を学んだ。「マルクス主義、毛沢東主義、トロッキー主義」フランチェスコ神父は振り返る。「夜、ビールを飲みながら教授たちと議論を重ねたものだ。」専門の神学はもちろん哲学、政治学、文化人類学、経済学を学んだ。次期ローマ法王ベネディクト16世のように大学教授になることもできた。「先進的な考えを持っていた教授たちは共産主義に対する脅威から保守的になってしまった。」

 1968年3月にチュービンゲンの学生は学生連盟の代表になった。フランシスコ神父は大学ストを指揮した。次にプラハへ行き、プラハ革命に身を投じた。「4月に戻ったとき中国人の大司教より神父になるように命じられた。私は新しいアイデアに対してとても敏感であった。」長髪に新しいアイデアはこの時代の特徴でもあったが、ここに働く神父が誕生した。「教会から独立しなければならない。これこそが良い司教であるための唯一の方法である。」1969年に生活のためと奨学金返済のために若い司教はカナダに教師として赴任した。夏休みはチリに赴き炭鉱で働いた。これがこの後、南アメリカとの長い付き合いの発端である。絶対的貧困、社会的政治的暴力、原住民や原住民との混血の人々の排除といったことがフランチェスコ神父の戦いとなった。

 フランチェスコ神父は共産党をローマ法王よりも独断的!と見なした。彼の信念はびくとも揺るがない。「特権階級だけでなく、すべての人々に生きる権利がある。」ピノチェトが権力を握ったとき、フランチェスコ神父はメキシコに赴き、メキシコ政府を刺激する恐れはあったがチリやアルゼンチンからの政治難民受け入れに活動に専念した。1977年には逮捕され、こめかみにピストルを突きつけられて脅された。大司教はフランチェスコ神父をBarranca Coloradaという最も貧しい村に赴任させた。貧者の中で暮らすことを選択した男は、身を削るような作業にもかかわらず全く所得にならない

コーヒーの搾取現場を目の当たりにした。フランシスコ神父は彼のアイデアと知識を使って方策を練った。1981年に彼は地域の農民をまとめ上げた。こうして議題はついに問題の核心に迫った。コーヒーの価格が安すぎる。「コヨーテ」と呼ばれる中間搾取業者や政府の代理人が農民たちを搾取している。生産者の利潤を増やすために収穫したコーヒーを先進国に直接販売することが解決策として浮かんだ。こうして従来ではキロ当たり40ペソでしか取引されていなかったものが135ペソで取引できるようになった。地方の権力者と結託した「コヨーテ」の反撃は凄まじく、暴力沙汰となった。しかし現在では彼が結成した協同組合UCIRIは素晴らしく機能している。この協同組合によりバス、学校、衛星とつないだインターネットなどが供与されることとなった。

 フランシスコ神父は村人たちの生活に変革をもたらした。そしてこの地域だけに限らず、地球上で暮らす百数十万人の家族の生活を改善した。生活を改善することこそがフランチェスコ神父にとって重要なことなのである。フランシスコ神父は弱者を餌食にする超自由主義に対しては厳しく攻撃するが、このフェアトレードの創始者は、マルコス政権に反対する運動には興味を示さず、またメキシコのチアパス地区での原住民の怒りを代表する共産主義運動にもその目的が明確でなく建設的でないとしてこれらの住民運動を評価していない。「フランシスコ神父は地に足をしっかり据えた理想主義者だ。」とJean-Pierre Blanc氏は語る。「市場は存在する。市場は常に実在する。アリストテレスの時代から同様である。しかし規制のない市場は強者並びに富者のみを肥やす。」とFrans Van der Hoff氏は語る。この司祭には有名になったことで信者を増やそうとか伝道しようとする意図は全くない。「彼は人々へ愛を示すことにより自らの信仰を確認し、ただ人々にカトリックの教義を説く。ラテンアメリカやアフリカで活動している福音伝道師のように信者を増やそうという意図は全くない。彼はただ単に人々が自由に生活できるための手助けがしたいだけだ。」とJean-Pierre Blanc氏は語る。カトリックの教義についても同様である。祖国オランダにおいても少数派に属していた氏は他者に対して非常に敏感である。「カトリックはもうたくさん。キリスト教徒でありたい。」氏は聖者なのであろうか?「いや、彼にも欠点がある。」中小企業担当大臣Christian Jacobは皮肉っぽく語る。「神父さんはタバコを吸いすぎる!」

 フェアーとは何か?

フランシスコ バンダル ホフ氏とニコ ルーセン氏によりマックス・ハベラーが設立される。この組織は、流通業者が商契約のなかでコーヒー、カカオ、米、コットンといった製品を生産する小規模生産者に対して“正しい価格”を支払うことを確約したことを保証するラベルを発行することを業務としている。関与する生産者は生産者団体として結束しなければならず、運搬設備、教育機関といった共同体プロジェクトを発展しなければならない。また最終的には生態系に配慮した操業が求められる。生産者団体はFLOの監査を受ける。フランスでは公的フェアトレード保証制度をFLO制度にまもなく加える見込みである。この背景にはフランスの消費者が従来の市場で決まった価格よりもほんの少し高めに支払うことを政府が後押しすることにある。




■ シラク敗北、ヨーロッパ不安定に陥る
                                                                                   林   昌 宏

フランスで5月29日に行なわれたEU憲法批准を問う国民投票で賛成45.13%、反対54.87%で否決された。投票率は1992年に行なわれたマーストリヒト条約批准の際と同様に70%近くに達し模様である。5月29日の投票結果を受けてシラク大統領は、フランス国民の判断を受け入れるとともに、今後ともフランスはEUで引き続き重要な役割を担っていくべきであると苦しげに述べた。

EU憲法はドイツ、イタリアなどの10カ国が既に批准手続きを完了したが、発効には25の全加盟国批准手続きが必要となっている。フランスやオランダでの否決が連鎖的に他国に波及する可能性もでてきた。

今回のフランス国民投票によるEU憲法批准否認の原因としていくつかの要因が考えられるが、まずフランス国民にとってヨーロッパという概念が非常に不明確であり、フランス市民がEUの将来に対して漠然とした不安を抱いている点が挙げられる。また右派、左派それぞれの中でもEU憲法批准について意見が別れ、従来の政治的枠組みが分裂状態であることも明らかになった。右派、左派の反対派に共通する傾向は、一般市民に加え、学者、研究者、学生といった知識階級がEU憲法批准反対に回ったという点である。

右派、左派を含め反対派の論拠を要約すればますます加速するグローバリゼーションに対してEUはフランス市民に対して十分な社会経済モデルを提示できていないという不満にある。すなわち公共セクターへの競争原理導入、EU域内での自由な人と商品とサービスの移動、フランス国境の消滅並びに域内国境の緩和、経済原理導入による労働市場の自由化といった新自由主義経済理論によるEU政策運営を拒絶したと言えよう。

こうしたフランスの投票結果に対し、新自由主義の旗振り役であるアメリカのウォールストリート・ジャーナルの社説では、フランスの官僚主導型福祉国家社会主義モデルは限界であり、金利政策などの小手先の改革では10%もの失業率を解消することはできない。現在、フランスは抜本的構造改革を必要としており、EU憲法批准失敗はこうした処方に逆行するものだと揶揄している。

しかしフランスでは、ドイツの例からも旧社会・共産主義国加入によるEU域内拡大及び新自由主義経済理論に基づいた政策運営はフランスの社会経済レベルを引き下げるであろうとの見方が優位であることが今回の国民投票により明らかになったと言えよう。

このようなフランスの政治経済の環境から以前はヨーロッパにおいても極左の活動と見なされていたフェアトレードを持続的発展の具体的政策としてフランス政府が取り上げるようになってきた。

2005年5月上旬にはシラク大統領がフェアトレードの創始者であるフランチェスコ神父を大統領官邸に招き、国際貿易のあり方について意見を交換した。またラファラン首相がフランスでのフェアトレード活動基準の法制化策定委員会を設置したことも注目される。

これら一連の動きは現政権の反対派封じ込めのパフォーマンスであり、本来の国際貿易のルールを変革するというフェアトレードの主旨を矮小化するものであるという不満の声も上がっているが、フランス市民の「もう1つの経済モデル」を模索する声を全く無視することができなくなっていることを物語っている。




■ 
フランス外務省 フェアトレードへの取組み

ヨハネスブルグ・サミット

フランス政府の持続的発展へ向けた政策:フェアトレード

フランス外務省の公式資料より
www.diplomatie.gouv.fr/cooperation/johannesburg/

フランス政府のタイプU政策
フェアトレードの発展

パートナー

政策推進団体
Plate Forme pour le Commerce Equitable,61 Rue Victor Hugo,93500 PANTIN
(電話 :01 48 91 20 75 ;メール:plate-forme@commerceequitable.org)

フランス国内のパートナー
フランス外務省、フランス経済開発発展委員会、フランス外交正常化委員会、国境なきエンジニア委員会、リヨン、ナント、レンヌ地方共同体

国際的パートナー
世界銀行、農業開発国際
基金、該当する生産者組織組合

協力主体
消費者団体

概要

大まかな概略とアジェンダ21並びにミレニアム宣言との関連
 
現在の国際貿易のあり方は、ますます途上国の小規模生産者を阻害している。フェアトレードは、こうした市場経済から阻害された小規模生産者(職人、農業栽培者、加工業者)の製品の販売先を見つけ、彼らの労働に対してより公正なる報酬をもたらしていく。フェアトレードは、先進国と発展途上国がビジネスを行なっていく上でもう1つの違った方策を発展させ、それが機能することを証明しようと試みている。
  フェアトレードとは、フェアトレードの当事者との協力により途上国の小規模生産者に対してきちんとした労働条件並びに報酬を約束し、また、自立的で持続的な生産活動を中核とする発展を促すことを目的としている。
  また、フェアトレードは、消費者が連帯の精神に基づいた購買活動を実行することを可能にする。
  フェアトレードのコンセプトに基づきネットワークが形成されている。この新しいタイプの貿易の組織的理念的発展を保証するために基準、並びに取り組み方が整備されてきた。
  フェアトレードが誕生して以来、数十年が経過し、進化してきたが、ここ数年で大きな発展を遂げてきた。現在では販売量の増加が必要な段階となってきている。すなわちフェアトレード発展のためには川下からのアプローチが必要であり、こうしたタイプの貿易から恩恵を被る生産者の数を増加させるためには、フェアトレード市場の育成がカギを握っているといえよう。
  生産者に対してきちんとした安定的な報酬を約束し、フェアトレードから恩恵を被る共同体の生活水準を改善し、こうした生産者の労働組合を強化し、さらに組合を民主化させる貿易を発展させるこのフェアトレード・プロジェクトは、人類と天然資源の正しい扱いを中心課題に据えている持続的発展の枠組みにおける不平等解消、貧困撲滅といった課題と完全に一致している。

このプロジェクトには2つの関連する目的がある。

  • フランス消費者市場においてフェアトレード市場の割合を増やすこと。
  • アフリカにおいてフェアトレードに従事する生産者の数を増やすこと。

このプロジェクトはフランスでのフェアトレード市場を増やすことと同時にアフリカ諸国でのフェアトレードに参加する生産者の数を増やすことにある。
  現在のところフェアトレードのための製品供給は豊富にあり、供給体制は組織化されており、また、組織化進行中であるが、需要不足に悩んでいる。フェアトレードに対して消費者の強い需要は存在するが、消費者が実際にフェアトレード製品購買という行動を取るためには大きなハードルが存在する。その主な原因はフェアトレード製品の流通ネットワークの欠如である。ゆえに、このプランでは、こうしたネットワークを活性化させることを提唱している。

フランス人の消費生活においてフェアトレードの割合を高めることに関して推進キャンペーンと監査を2つの軸として次に掲げる活動を実行していく。

 

  • 選択した製品の市場調査を実施する。:コーヒー、カカオ、米、マンゴ、コットン、beurre de karite 新たな流通経路開発や既存の流通経路の強化といった戦略がフランス市場にもたらすであろう影響について考慮する。
  • フェアトレードに選ばれた協同組合や生産者とフランスの経済主体との橋渡しをする。
  • マックス・ハベラー・ラベルや社会的認知されていると思われるラベルに承認された製品の流通において大手流通業者の取り組みを促す。
  • 大手流通経路ネットワークの、中小店舗のネットワーク、専門店のネットワーク、従来の商売などを強化し発展させる。
  • コミュニケーションを通じて市民への認知並びに啓蒙を図る。
  • フェアトレード製品がフェアトレードの基準を遵守して生産され、輸入され、流通していることをラベルによる承認や評価システムなどを通じて消費者にフェアトレードの信頼性を保証すること。

フェアトレードに参加する生産者の数を増やすためにこのプロジェクトではFIDA(フィンランド系人道支援機関)、BM(世界銀行)、AFD(フランス経済開発委員会)などの諸機関をパートナーとして、また、これらの機関が既にいくつかの国々で行なっているプロジェクトと連携し、また、フランス非政府組織団体や現地の非政府組織団体と共同でフェアトレードの流通経路に選択された協同組合を取り込んでいく。その扱い品目としてはコーヒー、カカオ、マンゴ、米、コットン、beurre de kariteなどがあり、消費需要の調査(市場調査、輸入業者、加工業者、流通業者へのヒアリング調査)を行なった後、次に掲げる作業を実行していく。

  • 生産者組合や共同体の選定
  • ラベル機関が求める基準ないし目指す市場が求めている基準に対応するだけの能力があるかどうかの検証
  • 要求基準を満たす生産者ないし企業の選定
  • 発展途上国の選択された団体の組織強化
  • 新規参入するグループや協同組合と将来そこから買い付けるであろう企業との交渉
  • フェアトレードの承認とラベル認定の手続き支援

このプロジェクトではフェアトレードに関与する主体やその活動を追跡評価することと、並びにこうした経験の蓄積を他のプロジェクトや他のパートナーとの活動の際に反映させることも視野に入れている。

アジェンダ21の目標との関連
  フェアトレードの発展と途上国の生産者の多くをフェアトレードに参加させることはアジェンダ21の目標と以下の点で合致している。

  • より公正な貿易を実行することで持続的発展を推進する。
  • 貧困撲滅並びに不平等解消
  • 経済活動の発展に環境と天然資源に配慮した取り組みを組み込んでいく。
  • 官民のパートナーシップに生産者組織や加工業者組織の役割を強化していく。
  • フェアトレードに従事するグループの生産システムを改善していく。
  • グループ内における民主的経営管理体制を支援していく。
  • 人類と天然資源に配慮した貿易アプローチを先進国の消費者に対して啓蒙していく。

期待される成果
 
このプロジェクトの直接的恩恵は途上国の生産者協同組合にもたらされる。先進国の市場を開放することでより大きな経済規模での活動が可能となりより公正なる報酬での労働条件がもたらされる。フェアトレードによる生産者所得の増大は生産者の生活条件を改善するだけでなく地域発展のプロジェクトを推進していくであろう。
  このプロジェクトの間接的恩恵は先進国の流通経路ネットワークにもたらされる。フェアトレード製品の扱い高は増大し、推進され、フェアトレード製品をより判別しやすくなる消費者にも恩恵が行き渡るであろう。
  期待される成果としてはフランス人の消費者のフェアトレード製品に対する消費が増え、アフリカ諸国からの製品に対する市場が増大し、フェアトレード製品の消費においてフェアトレードに選択された製品市場が増えると同時にフランスにおけるフェアトレードの社会的認知が高まることである。生産者側においてはフェアトレードに従事する生産者並びに生産者協同組合の設立の数が増え、生産者の所得が向上する。フェアトレードの流通経路に加入することで数多くの発展推進プロジェクトを実行していき、また、生産システムの改善といった活動により具体的な成果をもたらすであろう。最後にプロジェクトの追跡調査、評価、再投資といった過程でより良い活動方法や調停方法についての当事者間のコンセンサスなどについて幅広い議論が必要となってくるであろう。

プロジェクト実行予定スケジュール

  • 最初のプロジェクトのコンセプト並びに追跡委員会の実行は2002年6月に実施する。
  • 2002年7月にはプロジェクトの実行可能性をレポート作成。
  • 持続的発展世界サミットでのプレゼンテーション
  • 2002年末にプロジェクトの実行
  • 3年間にわたるプロジェクト遂行

計画されているプロジェクト実施手段
財政
  フランス外務省は予定されている活動に対して380万ユーロの予算を計上。追加的補正予算については予定されている流通経路や国のプロジェクトごとに支給される。

プロジェクト経過についての評価
  プロジェクトの追跡調査やその方向性に関して推進委員会を設置する。外部評価を流通経路や国ごとにプロジェクトの推進段階ごとに実施する。フェアトレードの活動や活動主体に対する継続的評価方法について議論を行い、これを実践していく。

連絡先

Thomas Skagammar :61 rue Victor Hugo,93500 PANTIN
電話:01 48 91 20 75
メール:plate-forme@commerceequitable.org

 

  


フェアトレードについての概略


フランス外務省の公式資料より

www.diplomatie.gouv.fr/actu/article.asp?art=35173

 現況の国際貿易ルールの下では発展途上国よりも先進国に有利に働いている。経済の自由化推進により脆弱な経済環境を有する国々の市場も開放され、国際市場が不安定なおり、特に農産物などは、数社の多国籍企業による独占状態を作り出している。こうした巨大企業は概して小規模生産者を壊滅させることによって利潤を得ており、その間に入っている中間業者は小規模生産者に対して一方的条件(価格、購買条件、または製品に対する条件)を課している。こうした小規模生産者の労働条件は往々にして非人間的なものであり、また、環境的、社会的に悲惨な結果をもたらしている。
  経済の中心に人間を再び据え、貧困撲滅を目指すためにフェアトレードは、もう1つの違った国際貿易のルールを提言している。

定義

 「フェアトレードとは従来の国際貿易に対するもう1つのアプローチである。フェアトレードとは、阻害された、ないし不利な立場にある生産者に対して持続的発展を促すことを目的としたビジネス・パートナー関係の構築である。フェアトレードはより良いビジネス条件を模索すると同時に人々に問題意識を持ってもらうための啓蒙活動やキャンペーン活動を行ったりする。」
  貧困撲滅のためにフェアトレードは、発展途上国の阻害された生産者が先進国の市場へアクセスできるような貿易体制を確立する。フェアトレードとは、生産者のノウハウや生産者組合の能力に基づいて活動し、また、生産者自らの発展を促すために生産者の共同体が積極的な役割を演じることができるようにする。また、フェアトレードは先進国の消費者の要求を満たし、発展のための啓蒙活動に幅広く関与していく。

原則

 フェアトレードは人権に関する普遍的宣言に基づいている「何人たりとも汝、または、その家族に対して汝の労働に対して公正で満足のいく報酬を受け取る権利をもち、人間の尊厳を損なうようなことがあってはならない。」1948年世界人権宣言23条の3項よりフェアトレードは先進国と発展途上国の様々な主体によるパートナーシップにより機能する。このパートナーシップは公正と尊厳に基づいている。
  最低条件として発展途上国の生産者は、生産者組合において民主的に活動し、民主的意思決定に参与しなければならない。その代わりにフェアトレードに参加する組合には以下に掲げる事項が約束される。

  • できるだけ仲買人や投機筋を排除した先進国市場への直接参入機会
  • 生産者への公正なる価格支払い。この公正なる価格とは生産者並びにその家族の必要最低限の生活を賄い、さらにその残りで生産活動のための投資や改善を行なうための費用が残っていなければならない。
  • 生産者が債務に陥ることを防ぐために40〜50%の代金前払い制度。
  • 生産者との長期的関係及び長期的契約の確立。

フェアトレードの組織は、生産者を構成し、生産者組合員の能力を強化していかなければならない。フェアトレード組織は、生産者の生産体制や製品が先進国市場参入の際の条件を満たすように生産者に対して市況、トレンド、消費者の要望、遵守すべき基準などに関する情報を提供していかなければならない。

当事者

 生産者:フェアトレードの“存在理由”
  主にラテンアメリカ、東南アジア、南アジア、西アフリカの発展途上国に在する最も恵まれない、ないし疎外された生産者の中から選ばれる。
  生産者組合組織とは、協同組合、組合、親族経営ないし小規模零細企業、社会的使命を帯びた企業、非政府組織などの形態が考えられる。こうした組織の大きさは、ラテンアメリカのコーヒー生産者の20万人からブルキナファソの20人までと様々である。
  フェアトレードが扱う製品に関しては主に農業1次産品である。(コーヒー、カカオ、紅茶、米、バナナ、ハチミツ、加工品(オレンジ、グレープフルーツ、パイナップルジュース、砂糖、チョコレート、手工芸品)

輸入業者

 先進国に在するビジネス主体で発展途上国の生産者組織と“公正なる”関係を締結し、彼らの製品を小売業者ないし加工業者に販売するものを指す。輸入業者は安い利ざや(2〜3%)を甘受し、輸入業者の株主についても配当を要求しないこと。輸入業者は多くの場合、生産者が現地にて従っている中間業者組織と直接的関係をもっており、輸入業者はフェアトレードの育成と枠組みの確立に協力する。

ラベル発行者
  “ラベル認定された”流通経路(主に食品)とは、フェアトレードにおいて特別な分野をなしている。このラベル認定流通経路こそがもっとも潜在的成長の可能性を秘めている。しかし、この流通経路は手工芸品には適用できない。ラベル認定流通経路の原則は、最大限客観的な立場で作成された基準に準じてフェアトレードに関与する当事者の認定行為並びに定期的監査を行い、ラベル発行者が最終製品にラベルを添付し、消費者に対して信頼を担保することにある。
  フランスにおける最も主要な“ラベル発行者”は、ヨーロッパのラベル発行ネットワークであるフェアトレード・ラベリング組織に属するマックス・ハベラー・フランスである。

流通業者
フェアトレードには4つの流通経路がある。

  • Artisans du Mondeといったフェアトレード専門店
  • 組合組織の活動によるカタログを使用した通信販売やネットでの販売
  • Body Shopやl’Occitaneといったフェアトレード製品を原料として使用した製品を販売する流通チェーン店
  • Auchan,Carrefour,Monoprixといった中小並びに大手流通業者

消費者
フェアトレードの成長は消費者がカギを握っている!ヨーロッパではますます市民が国際社会の方向性の決定に関与しており、消費活動によるこうした活動は市民に対して強い動機付けをもたらす。

フェアトレードの現況
国際貿易(財とサービス)に占めるフェアトレードの割合は現在0.01%に過ぎない。フェアトレード製品のなかには市場において無視できない規模に育ったものもあるが、国ごとにその成長にはバラつきがある。ヨーロッパにおけるフェアトレード先進国はスイスであり(特に公的資金の投入の成果もあり)、フェアトレード・ラベル・バナナの消費量は20%、紅茶が4%、コーヒーが3%となっており、続いてオランダ、ルクセンブルグ、デンマーク、ドイツ、スウェーデン、イギリスなどとなっている。フランスはフェアトレードにおいて後塵を拝している。
  ある製品分野でフェアトレード製品が2〜3%の市場占有率を占めることはフェアトレードを信頼性のある社会現象にし、10%以上に達すれば無視できない社会的要素となる。
  2000年にFLOインターナショナルが管理する7つのフェアトレード製品(コーヒー、カカオ、砂糖、バナナ、ハチミツ、オレンジシュース)の総販売額はヨーロッパ市場において2億2400万ユーロであり、その総販売量は1997年と比較して56%増の3万9000トンに達した模様である。
  フェアトレードは世界規模で展開されており、59カ国にまたがり532の生産拠点(外国輸入業者との直接ビジネスができる)より製品が供給されており(そのうちの150がコーヒーの生産者組合)、80万人の生産者(このうち51万5千人がコーヒーの生産者)に恩恵をもたらしており、約500万人の人々の生活環境を改善している。世界中で100社の輸入業者がフェアトレードに取り組んでおり、フランスでは平均100万ユーロ以下の売上高の企業は7社となっている。これらの輸入業者はヨーロッパにおいて2500の店舗に製品を供給しており、フランスでは100店舗程度となっている。
  消費者のフェアトレードの認知に関しては2000年にフランス人の9%しかそのコンセプトを知らなかったが2003年には32%に認知度が上昇した。

問題点
  市場の需要欠如により停滞していたフェアトレードは、社会的認知度上昇とともに消費者の支持を取り付けた。大手流通販売拠点によるフェアトレード製品の導入はこの突破口となる。大手流通業者において”公正なる“製品を導入したイギリスの場合、2001年度にはフェアトレード製品の売上高は50%上昇し、約7100万ユーロに達した。
  発展途上国に変革をもたらすためにはフェアトレードはいわゆる“隙間”製品に留まるべきでなく、大量消費製品の製造過程にも適用されなければならない。有機栽培製品とフェアトレード製品を掛け合わせた相乗効果も同様に期待できる手法である。
  しかし、この新しい流通経路の開拓にはリスクもある。そのうち最も懸念されているものとしては大企業による価格の押し付け圧力、大企業の長期的取り組みの欠如、流通経路の完全なる透明性確保やフェアトレードのコンセプトを最終製品として商品化させるに至るまでの困難などが挙げられる。
  フェアトレード発展の中核をなすのは消費者に対してフェアトレードを保証していくことである。多くの当事者はラベルを統一し、フェアトレードを保証するために公的機関の介入を要求している。フランス及びヨーロッパの基準を設定することは、様々な形でこうした要望に答えていくことになるであろう。流通経路のラベル認定、認定基準の定義などがその課題となろう。

フランス国家の関与
  フェアトレードはフランス政府並びにヨーロッパ政府の公的援助を数年にわたり受けてきている。フランスにおけるフェアトレード最大援助機関はフランス外務省でありフェアトレード啓蒙活動や中心的役割を果たしている団体の教育から発展までを財政支援してきた。1993年以来マックス・ハベラー、La Plate-forme pour le Commerce Equitable, le Collectif de l’ethique sur l’etiquette,la federation Artisans du Mondeといった団体を支援してきた。
  青年スポーツ省や農水産省も同様にフェアトレードを支援してきた。2000年に結成された経済同盟国家委員会は、すぐさまフェアトレード流通経路支援を表明した。「ダイナミックな連帯」というスローガンを掲げて20ほどの具体的行動により支持を表明した。また、特定の調査を行い、フランス工業規格化協会の後援のもとフェアトレードを一般化するに当たっての検討委員会を設置した。多くの地方共同体も同様に支援を表明した。

2003年フランス外務省はLa Plate-forme pour le Commerce Equitable(フェアトレードのためのプラットフォーム委員会)と協力して560万ユーロを投じて流通経路の発展支援プロジェクトを実施した。このプロジェクトは、いくつかの国で既に実施されているプロジェクトの支援や既に存在する流通経路を支援しながらフランスにおける市場拡大と流通経路の強化(大手流通業者、特別なネットワーク、従来の貿易)、新製品の投入、啓蒙活動、キャンペーン、発展途上国の生産者グループの市場経済への導入を目的としている。
  このプロジェクトは、いわゆるタイプU(南北のパートナーシップ、並びに官民のパートナーシップ)の中核をなすものであり、ヨハネスブルグで行なわれた(2002年9月)持続的発展サミットで発表され、フランスの行政機関のパートナーシップ(フランス外務省、環境省、持続的発展省、経済省、財務省、各省の派遣代表で構成される経済連帯委員会)やこの問題に関与する当事者により運営される。このプロジェクトは持続的発展のための国家戦略に組み込まれており、2003年6月3日にフランス政府により承認された。
  このプロジェクトについては、フェアトレード推進のヨーロッパ規模での行動プラン実施の可能性を模索するために様々なヨーロッパ協同体制レベルにおいても協議が行なわれることになっている。初の国際会議は2004年中旬にフランスのナントにおいて開催されるフェアトレード総会の際に行なわれることになっている。

 

2003年6月3日のフランス外務省プレス発表の要点より抜粋

フランス外務省の公式資料よりwww.diplomatie.gouv.fr/actual/declarations/pp/20030603.html

フェアトレード

 持続的発展週間の際、協力援助並びにフランス語圏の代表大使であるPierre-Andre Wiltzer氏は、フェアトレード推進に関するフランス政府の新しいプロジェクトを発表する予定である。このプログラムには500万ユーロ以上の予算が計上されており、フェアトレードの基本政策を通してフランスでのフェアトレード発展加速を促進するであろう。この計画には、コットンなど新たなフェアトレード製品の流通経路の創造と確立、市民へのフェアトレード啓蒙、小規模貿易の発展、消費者への信頼といったことが含まれている。
  2003年6月4日に大使は、象徴的な意味を込めて1974年に開店したパリのRochechouart通り20番地にあるArtisans du Mondeチェーン店の第1号店においてフェアトレードを支援する今回のプランを発表した。
  国際貿易において発展途上国の小規模生産者が阻害されている現状に対してフェアトレードは、職人、農業栽培者、加工業者が彼らの製品の販売先を見つける機会を提供していく。フェアトレードは、先進国と発展途上国がビジネスを行なっていく上でもう1つの違った方策を発展させ、それが機能することを証明しようと試みている。

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フェアトレード・ラベルがヨットレースにあらわる!



■  マックス・ハベラー・フランスの新しい代表Jean-Pierre Doussin氏に3つの質問

フランス・ナント地区フェアトレード推進メンバーであるJean-Pierre Doussin氏がマックス・ハベラー・フランスの代表に選出された。Jean-Pierre Doussin氏のこれまでの経歴は疑いの余地もなくマックス・ハベラーのさらなる進展に貢献するであろう。Doussin氏は、長年にわたりDGCCRF(競争、消費、不正行為の弾圧の一般管理委員会)の技術アドバイザーとしてフランス政府代表を務め、また、食の安全規制委員会においてはヨーロッパ代表を兼任、次にナント大学法学部食糧課の教授となる。同時期には1980年より国連の食と農業に関する専門家としても活躍してきた。


どうしてフェアトレードに興味をもたれたのですか?

まずは国連の食と農業に関する委員会の専門家として発展途上国で数々の任務を行っていくうちに啓蒙されました。この経験により耐え難い貧困が存在するということを深く感じました。DGCCRFでの活動を通してビジネス団体や消費世界との関わりが生まれました。一方では世界貿易機構(WTO)を研究することにより国際貿易が機能不全に陥っていることがわかりました。私がフェアトレードに出会ったのは大学の教員として参加したシンポジウムを通じてです。そのとき私は、これこそがシンプルで効率的な素晴らしい解決手段であるとの確信を持ちました。このとき以来、私の活動家としての信念は日増しに強まっております。


新しい代表としてどんなことをやりたいですか?

 マックス・ハベラーとは静かな革命です。マックス・ハベラーは、社会連帯運動に持続的な勝利をもたらすために世界経済のゲームのルールを利用する、または変革することができると思います。発展途上国の人々が常に我々の"自由な"システムの犠牲者として押しやられている不条理を正す必要があると思います。実際、貧困に喘ぐものが我々の食糧の一部を作っているという現実は恐ろしいことではありませんか?


マックス・ハベラー・フランスの目的は何ですか?

 組織としてのマックス・ハベラーの期は熟してきました。我々は社会的に認知されており、再認知されております。我々は関係諸団体並びにフェアトレードに取り組んでいる企業と連携し、持続的に変革していかなければならない。具体的には"市場"の最先端において啓蒙活動を行い、また、コミュニケーションを円滑にすることです。また、同時に我々は、疎外されている労働者や生産者の尊厳を回復するための専門知識と卓越した効率性を有していることを証明して行きます。当然、常に信頼できる組織であることを社会に対して強調し、特にフェアトレード・ラベル管理部門においてはなおさらです。

マックス・ハベラー・フランスは、前代表であるPhillipe Galinou氏に対して謝辞を述べたい。1996年以来、Galinou氏の卓越したビジョンと惜しみない努力は、マックス・ハベラー・フランスの大いなる発展に貢献した

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■  世界貿易のあり方を変える:スイスのマクドナルドの場合
2003年9月

2003年3月からスイスのマクドナルド全店139箇所においてコーヒーは、すべてフェアトレード商品となった。実際には、マクドナルドは、マックス・ハベラーのラベルが付いたアロマ社のコーヒーを販売供給している。

スイス・マクドナルド社がフェアトレード商品を扱うことによって、世間ではマックス・ハベラーの行動に疑問を持つ人々が現れ、数々の誤解が生じている。我々は誤解を正したい。

フランスのマックス・ハベラーは、 1991年に法人化している団体である。マックス・ハベラーは、発展途上国の生産者と恵まれない労働者が公正なる価格で国際市場において参入できるように彼らの発展の援助をすることを目的として活動している。この目的を達成するために、マックス・ハベラーは、FLO-International(Fairtrade Labelling Organizations International)という団体の中で同様な各国のフェアトレード団体と結託して“マックス・ハベラー”というフェアトレードラベル業務を行っている。

マックス・ハベラー自身が貿易業務を行うのではなく、マックス・ハベラーは、生産者と共に生産物ごとにフェアトレード基準を設定し、発展途上国の小規模生産者組合やそこで働く労働者を支援している。マックス・ハベラーは、フェアトレード基準を尊重する先進国の産業と生産者組織を結びつけ、また、さまざまな関係者を通じて基準遵守を監視している。そして生産者の生活向上のために生産者支援も行っている。

スイス・マックス・ハベラーは、マクドナルド社にラベル認定したわけでは決してなくマクドナルドで販売されているアロマ社の製品にラベル認定したのである。

1.マクドナルドに特別の計らいをしたのか?

アロマ社とのマックス・ハベラーのライセンス契約は(マクドナルドではない)他社とのライセンス契約と全く同等なものである。契約条件と契約義務は、すべてFLOのフェアトレード基準に準じている。

ライセンス契約は、マックス・ハベラーのラベルを使用する条件を詳細に取り決め企業とマックス・ハベラーとの間で締結される。

フェアトレードの国際基準に準じて購買、生産、商品化等の細かな規則を尊重すればどんな企業でもマックス・ハベラーのラベルを使用できる。

フランスにおいて、また、国際レベルにおいてフェアトレード市場の拡大に精力的に貢献したい強い意志を有し、多くの消費者の期待にこたえる製品を供給し、発展途上国の多くの生産者に利益をもたらす企業と共にマックス・ハベラーは活動したいと願っている。

ライセンス契約の主の項目は、次のようになっている。

  • フェアトレードの国際基準に従ってFLOにより認められた輸入業者や製造業者のもとでマックス・ハベラーのラベルを付けた生産物に使用するための原材料や半完成品の購買。
  • 従前に決められた用紙で4半期から15日遅れで原材料や半製品、完成品の購買、生産、販売の四半期ごとの申告。
  • フランスの消費者にマックス・ハベラーのラベルを啓蒙する目的でかかる費用や認定書を作成する過程で生じた経費を補うためにフランス・マックス・ハベラーではラベル使用量(マックス・ハベラーのラベルで売れた製品のkgあたり、リットルあたり)の支払い。
  • 会計年度終了後6ヶ月以内にフランス・マックス・ハベラーに税理士ないしは会計士によって作成された年間収支報告書の提出。
  • ライセンス契約の条件を遵守しているか確認するために外部監査役による事前委託検査ないしは抜き打ち委託検査の是認。
  • すべての製品梱包にマックス・ハベラーの精神を説明した文章とマックス・ハベラーのロゴを添付すること。これにより消費者は製品を認知できフランス・マックス・ハベラーは、製品流通管理が保証できる。これらの項目はライセンス契約とロゴ使用の手引きに含まれている。

2.マクドナルドには、フェアトレード商品の扱いを断ったのか?

特にフランスでは、マクドナルドは社会問題を生み出す多国籍企業の代表として一般に認知されていることをフランス・マックス・ハベラーでは、十分に認識している。マクドナルドについては、グローバリゼーションの悪しき影響、数多くの告発、従業員の貧弱な雇用条件問題、中国の子供に作らせているおまけのオモチャ、世界での食文化の破壊、等々が問題となっている。しかしながら我々は、スイスでのマクドナルドのフェアトレードの取り組みは、マクドナルドの供給政策に重要な変革の第1歩を踏み出したと考えている。

今日、どんな企業でもフェアトレードを行うことができる。その枠組みは簡単だ。:マックス・ハベラーは、独立した認定システムである。我々の基準を満たせばすべての企業はその製品にマックス・ハベラーのラベルを貼ることができる。我々の枠組みが、企業のフェアトレードの取り組みに制約を加えているのではないかとの質問を受ける。我々の答えは明らかである。:次の2つの観点に基づいて我々は、フェアトレード商品の発展を願っている。:短期的には発展途上国の恵まれない生産者の要求に応え、長期的には世界貿易のこれまでの慣行を変革するという目的である。

2.1. 生産者の要求に応えて

フランスではマックス・ハベラーとFLOであるように、各国ごとのフェアトレード推進団体の目的は、発展途上国の恵まれない生産者と労働者が、最大限、尊厳ある人間らしい生活を過ごせるために活動することである。

我々は、80万世帯の生産者と労働者を代表する40カ国の発展途上国にわたる320の生産者組織とそこで働く労働者と共闘している。フェアトレード運動を推進するため(最低価格保証により、例えば医療、教育、前払い制度、長期契約などの経済発展に必要な分野に重点的に投資する。)、FLOインターナショナルは、毎年、300から500の生産者や労働者がフェアトレード運動に参加したいとの申し出をうけているが、しかしながら残念なことにFLOインターナショナルは、先進国のフェアトレード商品に対する消費需要が弱いため、その申し出の90%が実現できないでいる。

フェアトレードは、隔離され搾取された生産者にとって共闘する(多くの生産者を代表している)ための唯一の手段である。そしてフェアトレードは、また、彼らの国の地方や国レベルの政府政策決定に重要なインパクトを与えている。また、大規模農園の労働者にとっては、自分たちの賃金上昇のみならず、自らの労働件や社会権の強化につながっている。

2.2. 世界貿易慣行を変革する

各国フェアトレード推進団体とFLOインターナショナルは、フェアトレードは2つの手法を用いて世界貿易の慣行を変革できると確信している。

まずは、経済的手法をもって変革することだ。実際に告発キャンペーンが、組織や組合によって展開され、一般消費者や市民団体によってフェアトレード商品の購買が加速すれば、国際貿易に従事している多国籍企業の企業イメージは悪化し市場占有率は低下を余儀なくされるであろう。そこで多国籍企業は、従来のやり方に再考を迫られる。各国フェアトレード推進団体とFLOインターナショナルは、多国籍企業内にもフェアトレードを発展させる必要性があると考える。

フェアトレード商品開発を多国籍企業に迫るハガキキャンペーンを展開するオックスファムのような他の非政府組織と共闘して多国籍企業に圧力をかけることは非常に現実的対応である。

フランス・マックス・ハベラー、他の各国フェアトレード推進団体、そしてFLOインターナショナルは、貿易が消費者の信頼に基づいて小規模生産者の利益も確保して行われるように、フェアトレードの基準設定、認定、管理運営を通して多国籍企業がこれまでの貿易慣行を変えた組織を打ち立てるように提案している。

2番目には、政治的手法による変革である。フェアトレードは、よりグローバル化された貿易が人間や環境にもたらす悪影響を埋め合わせる最善の手段である。マックス・ハベラーは、国際政治にフェアトレードという手法があることを認知させた。:ポルト・アレーグレの世界社会フォーラム、ダヴォスの世界経済フォーラム、ヨハネスブルグの継続性のある発展に関する世界サミット、1999年のシアトルWTO会議から今年の秋に行われたカンクンでの会議等である。マックス・ハベラーが参加している他の非政府組織においても同様の行動を行っている。こうしたロビー活動により、国際貿易が従うべきフェアトレードのモデルを推進していくことになる。

マックス・ハベラーのラベルは、国際貿易の慣行に影響を及ぼす具体的な手段である。その目的は、いつの日かフェアトレードが規範となることである。15年来の我々の活動は、発展途上国の生産者組合を支援することである。フェアトレードに従事する450以上の産業団体と300以上の利益追求団体から得た結果は、我々の行動の効率性を物語っている。同様に他の非政府組織や労働組合は、先進国の慣行を改善するために我々の行動を評価している。我々は今後ともお互いに補完しあって行動していくであろう。

企業が責任ある消費(公正、環境配慮、エコラベルまたはFSCラベル商品)に従事するとすれば、それは1歩前進であるが、それが企業の悪行を償う言い訳となってはならない。

市民の行動と消費者の警戒心が求められている。:これまでの結果に満足せず、今後も前進して行かなくてはならない。

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■フランス首相が2003年公益キャンペーン大賞にマックスハベラー・フランスを選出
(2003年1月24日公式発表)

ジョン・ピエール・ラファラン・フランス首相は、2003年の公益キャンペーン大賞にフランス・マックス・ハベラー協会を選出したことが1月26日付けの官報で明らかになった。

フランス・マックス・ハベラーの外、他の受賞団体も明らかとなる。他の3つの受賞団体は次の通りである。ユニセフ・フランス委員会、Cyclamed(環境保全団体)、献血推進連盟。

マックス・ハベラーにとって今回の公益キャンペーン大賞受賞は、大きな意味を持つ。なぜならば「フェアトレード祭り」を控え、この催しに特別な意味を添えるからである。

今回の催しは、生産者の生の声を反映させ、フェアトレード商品購入が、大きな社会的意義を持つことを周知してもらう試みである。ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの生産者が、ラベルの親善大使となりフランス全土を巡回し、フェアトレードに関する彼らの日常体験を分かち合おうという試みである。地方でのこうした活動は、消費者教育やお祭り的雰囲気の巡業にインパクトを与えるであろう。

フランス・マックス・ハベラー代表のVicor Ferreiraは、語る。「我々は、今回の受賞を大変名誉に思っております。なぜならば“公益”という語源が指し示すように、この公益こそがフェアトレードの精神であるからです。我々は、発展途上国の生産者、ならびに市民、消費者、企業、地方共同体、政府の責任等これらすべてに大いに関心を持っております。各自のレベルでフェアトレードの公益性がもたらす恩恵を理解していただき、また、皆さんの簡単な行動により、より公正なる世界構築に向けて貢献して頂けたら幸いです。今回の受賞が、フランスにおいてフェアトレードを定着させることにつながるであろうと我々は、非常に喜んでおります。

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■カルフール社 フェアトレードについて語る

カルフール社は、生産者から消費者すべての利害関係者を満足させるビジネスを目指している。すなわち公平なる貿易であり、人権保護及び環境保全である。こうした理由から我々は、特にフェアトレードについて重大な関心を抱いている。フェアトレードとは、次ぎに掲げるいくつかの基本的な理念に基づいている。

  • 小規模生産者組合が、自らの力で発展できるように支援し、変動の激しい国際市場価格からこうした小規模生産者組合を守るために安定した買い付価格を保証し、また、長期的商取引関係を構築すること。
  • 生産者の健康、及び、農場の持続的発展を保証するために環境保全に努めること。すなわち化学物質の削除及び削減、土地の侵食を防ぐ、水資源を守る、有機栽培を努めて奨励する。
  • 基本的社会に属する権利を擁護する。奴隷的労働慣行、未就学児童の就労、いかなる形での差別を拒否する。社会的保護制度を支援する。
  • 製品の品質及び生産過程から商品となり、その商品が消費者の手に届くまでの経緯がわかるように消費者に保証し、フェアトレード商品の購買を通してこうした発展に貢献してくださる消費者にフェアトレードの理念を認知させること。
フェアトレードとは、一般に先進国と発展途上国との関係を機軸として捉えられているが、カルフール社では、こうしたフェアトレード理念を新興国や国内の中小企業との関係においても適用していく方針である。具体的には、我々の供給先である企業との関係を“連帯”と位置付けることができる貿易関係まで発展させようと考えている。こうしたフェアトレード商品の取り組みにおいて重要なことは、まず、その品質が優れていなければならず、かつ、一般市民に受け入れられる価格でなければならない。

カルフール社では、生産者の財務状態に常に気を配っている。すなわち生産者自らの発展のために独立した財務状況を確立するために生産者に安定した収入を確保できる状態を最優先して作り上げることである。カレフール社では、自社ブランドのフェアトレードのほか、特にフランスやベルギーの店舗においてFLO認定のフェアトレード商品を扱っている。

カルフール社では、フェアトレードの現状に関して政府主導の作業委員会やフェアトレードのAFNOR(フランス独自基準委員会)基準の討議にも積極的に参加している。

“供給先との関係は双方にとって都合の良い関係で泣ければならない”
カルフール社の基本政策より抜粋


ダノン・グループ社長Frank Riboud氏の視点

大手流通業者とブランド製品会社との交渉について

食品産業と大手流通企業が、対立していると世間では、思われているようですが、これは、誤解です。確かにビジネスとして厳しい交渉はありますが、こうした交渉は、全体の成長をもたらすために個々の能力を土台とした公平なる概念に基づいているわけです。カルフール社とダノン社では、職種は、異なりますが、消費者の満足を得るという共通の目的を持つ、世界のリーダーであります。ですからダノンとカルフールの関係は、単なる交渉という枠組みを大きく超えている。ダノンとしては、流通業者と多くの現場を共有しており、お互いにノウハウの交換を通じて消費者に対する供給の改善に努めている。

カルフール社とダノン社の社会的責任に基づいたパートナーシップからの視点

不安感が漂い、社会的指標も不明確である時代において“責任ある商業”という概念こそが将来の重要な争点となるであろう。こうした不安感が、常に我々の企業文化に影響を及ぼしている。現在では、責任ある商業という概念が社会全体に浸透してきており、より上流部門である農業、第1次産品、商品が消費者に届くまで、また消費者への情報といったことについてより留意することが、非常に重要になってきている。こうした作業は、いくつかの大きな課題を掲げて流通業者と一体となって取り組む必要がある。

カルフール社やダノン社のようなグループにとってグローバリゼーションにおける企業の役割

カルフール社やダノン社だけが、責任感あるグローバリゼーションを推進していく中心的役割を果たすと考えるのは、思い上がりであり、適切ではない。しかし、地方の企業や生産者などにとって、我々は発展の源泉である。なぜなら我々は、基準、様式、価値観を地方にもたらし、それらを発展させているからだ。このためには、我々自身が地方の文化や慣習に対して適応していく努力を惜しんでいては、不可能である。我々の枠組を一方的に押し付けるだけでは十分とはいえない。こうした対応こそがグローバリゼーションの問題の根源である。お互いに手を差し伸べ、誰でも自分たちのアイデンティティーを守れる世の中にすることは可能である。

社会的・環境的責任に関してカルフール社に対するダノン社の期待

カルフール社のみならず、流通業界、産業界全体に対する私の期待は、非常に大きいものがある。ダノン社では、品質、安全、環境に対する取り組みを長年続けており、常にこうした取り組みの改善に努力しております。消費者との対話を積極的に行い、実際のリスクや予見できる危険についての理解を深め、また、正しい農業のあり方を推進するためにカルフール社とダノン社が若手農業従事者と共同で行っている“大地への対応”というプログラムにおいて農業の上流部門での作業を実践している。ダノン社の製品に用いられる原料が品質への不安、ごみの削減、こうした不安を解消するためには、本当の協力体制を築いてこそ一連の食品の流れ全体をさらに改善することができる。

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