■「フェアトレードの冒険」の要約掲載

マックスハベラー(フェアトレードラベル)の創始者であるフランツ氏とニコ氏による共著「フェアトレードの冒険」の要約です。
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■カンクンでのWTO会議失敗後、WTOの進展を強調
Japan Times 03.12.12

ジュネーブ(AFP-Jiji)―火曜日に外交筋が語ったところによると、WTOのメンバーは、世界貿易についての交渉を12月15日までの最終期限までに再開することができないであろうとの見通しを明らかにした。農業などのカギとなる分野での交渉が難航していることもあり、交渉が予定されていた2004年までに終了することが著しく困難になってきた。

一方では、WTOの議長であるSupachai Panitchpakdi氏と上級交渉担当役のCarlos Perez del Castillo氏は、先進国と発展途上国の間に深く横たわる相互不信のために9月にメキシコで行われた交渉が、崩壊したが、それ以来、事態の改善があったと強調した。

「メキシコのカンクンでの大臣級会議が失敗に終わったが、12月15日までに交渉を全開させることに向けて大きな進展があった。」とWTO執行役委員会議長のCastillo氏は語る。

「しかし我々は、まだ、交渉全開までの時期には達しておらず、もう少し時間が必要である。」とCastillo氏は、146の各国メンバーが構成する組織の非公式な会合が終了した後、記者会見で語った。

「私は、失敗だとは思っていない。まだ交渉中と呼ぶべきだと思う。」

メキシコでの会議では、農業のような中核となる議題で合意が得られず、各国大臣は、いわゆるドーハ発展政策を再スタートさせるために12月15日までに妥協案を探し出すようにWTO特使たちに働きかけていた。

カンクン以降、Supachai氏とCastillo氏は、水面下で各国と交渉再開に向けて方法を模索してきたが、WTO議長は「困難に目を瞑ってしまっても全く意味がない。」と語った。

「ここ数週間、交渉がほとんど進展せず、共通の交渉土台が見つからないのは、困った事態だ。」と火曜日にSupachai氏は、代表団に語った。

12月15日の交渉再開に向けての交渉の枠組みを決める代わりに、Castillo氏は、カンクン以来の進展の要点と今後の進め方を述べるつもりだ。

国境を越えての投資行為や競争に関する議題が、先進国の農業補助金問題についてのより根源的議論を再燃させメキシコのリゾート地での会議を失敗に追いやった。

インド貿易摩擦

ブリュッセルでのヨーロッパ委員会は、火曜日、ブリュッセルとニューデリーとの貿易で最近、巻き起こっているヨーロッパ連合の輸出を抑えるダンピング防止手段に対してWTOにインドを提訴すると語った。

しかしインドは、手続きには、問題はなく、ヨーロッパ連合に対するインドの手段は、合法的であると主張している。

1999年から2003年までのEUに対するインドが課した27個のダンピング防止手段に関してWTOで協議してもらうようヨーロッパ委員会は要請した。

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「コーヒーは、金のならない木となる。」
アディス・アババ(AP) 2003年12月10日 Japan Times

今週の火曜日に国際的人道支援機関は、コーヒーの急速な価格の暴落により多くの農民が麻薬などの非合法な作物を含む他の作物の栽培に移行を余儀なくされていると警告した。

オックスファムによれば、ラテンアメリカやアフリカなどのコーヒー依存型経済は、市場価格の低迷で危機に瀕しており、現在では、農民は、麻薬を栽培することで何とか凌いでいるとのことだ。オックスファムは、コーヒー価格の低迷を意図的に維持しているとして4大コーヒー会社であるクラフト、プロクター&ギャンブル、サラ・リー、そしてネッスルを糾弾した。

Make Trade Fair Campaignの代表であるフィル・ブルーマー氏によれば、2500万の農民は、価格下落の衝撃をまともに受けたとのことだ。「コーヒーの価格は、ここ100年来最低を記録しており、コーヒーは、急速に金にならない換金作物となってしまった。」と語っている。

自由貿易推進派は、1990年来コーヒーの消費量が安定的に推移している一方で、コーヒーの生産量は、特に国際的機関の経済開発プログラムによりベトナムが世界で2番目のコーヒー豆栽培国となったこともあり、世界でのコーヒー豆の生産が、急速に伸びたのが原因であると主張している。


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WTO  ルモンドより  要点

WTO加盟国148ヶ国による交渉が行き詰まる

  • カンクンで北と南は違いを克服できず
  • ブラジル、中国、インドは一致団結する
  • ヨーロッパ委員会のパスカル・レミー委員長 談‘貴重な機会を逃した’
  • 4つの重要な議題−農業、市場参入件の確保、綿花、投資

9月14日にメキシコのカンクンで行なわれた大臣級出席のWTO会議は失敗に終った。5日間の開催期間中、北の先進国と南の発展途上国の溝は埋まらなかった。

最終宣言においても各国大臣は意見の不一致を最小限に押さえようとしたが、2001年のドーハでの会議の際の多国間協定による発展的成長という理念は崩れ去った。

ヨーロッパ貿易委員のパスカル・レミー委員長は「ジャングル状態に楔を打つ機会を逸した。」と語った。

カンクンに詰め掛けた多くのNGOのメンバーたちは交渉の失敗を「世界市民の勝利」と受け止めている。

今回の会議で南側諸国の台頭が目立った。ブラジル、インド、中国は今年の夏、G21というグループを形成して一致団結して交渉に臨み、グループの会議での存在感は大きなものがあった。

4つの議題、農業問題、投資、農産物以外の市場へのアクセス、綿花が最大の難題となった。

最貧国からは「先進国の保護主義を改善する最大の機会を逸し、会議の失敗には失望した」との声も上がっている。

貿易問題

南側諸国と北側諸国は大部分の議題で双方の溝を埋めることができなかった。シンガポール議題と呼ばれる競争、投資、公的市場に関する議題はもとより、農業問題、関税率問題も未解決だ。2004年には合意に達するとドーハでの会議の際に目標を定めていたが、合意は危ういものになった。アメリカやヨーロッパ政府筋はWTOそのものに対する批判を強めており「WTOは中世並みの代物だ」とパスカル・レミーヨーロッパ貿易委員長は酷評した。

北と南の意見の不一致がWTOを失敗に追いこむ

カンクンでの世界貿易の自由化に関する会議は9月14日に失敗に終る。富国と貧国は主な議題で合意できず。WTOは弱体化しドーハ宣言も効力を持たず。

今回の特徴はグループ21の台頭である。インド、ブラジル中国が強固に連帯しアフリカ諸国等の90ヶ国とも連携し146ヶ国加盟のWTOを機能不全に陥れた。ブラジル大使は次のように語った。「G21は開放された公正な世界貿易を構築するために発展途上国の意見を反映させるためのグループだ。」一方、アメリカ、ヨーロッパ政府筋はG21の結束を過小評価して会議に臨み、結果として会議は失敗に終った。

シンガポール議題と呼ばれる提案についてはインドやマレーシアを代表として強烈な反対に遭う。

現在まで常に交渉では発言力のなかった世界貿易の1%未満しか占めない最貧国の声もアメリカ政府の自国綿花栽培者への過剰な補助金問題により最貧国のアフリカ・サハラ地方の綿花産業を壊滅に追い込んでいる問題をアピールしたが、アメリカは全くこの問題に言及せず、補助金の撤廃には触れなかったことに対し、最貧国の怒りは爆発した。

インド大使からは「大多数を占める発展途上国の意見を意図的に無視し、少数の国の意見を大多数の国に押し付けるのはおかしい」とWTOのあり方に疑問を呈した。

ヨーロッパとアメリカの政府筋はカンクンでの失敗によりWTO抜きで2国間、地域協定に活路を見出す方向であるが、最貧国にとっては先進国の保護主義政策に風穴を開ける最大の機会を逸したといえよう。

会議を失敗に追いこんだ4つの議題
  シンガポール議題

1997年シンガポールの大臣級会議で初めて討議されたのにちなんでシンガポール議題と呼ぶ。その内容は公共部門における投資、競争を促し、透明性を高め、参入を容易にする。2001年ドーハで採択された宣言によれば「5回の大臣級会議を経て、採択される決定に基づき、明確なコンセンサスにより、これまでの交渉の枠組において、交渉は進められる。」という曖昧な表現がWTO加盟国の間で様々な解釈が取られ事態を混乱に陥れた。富国の間ではカンクンの会議後すぐにシンガポール議題について交渉に入れると想定していた。発展途上国は“明確なコンセンサス”の必要性を掲げWTOの交渉からこれらの議題を盛り込むのを拒否した。

ジェネーブでの会議で既に各国の立場の違いが鮮明となり70ヶ国の国々はこれ以上の交渉を拒否した。カンクンでの交渉ではこれらの反対にかかわらず強引に討議を推し進めようとしたが、インドやマレーシアや他の中進国を中心にコンセンサスの欠如を理由に討議は打ちきられた。ヨーロッパ委員会のパスカル・レミー委員長は最後まで粘り強く交渉し、4つの議題を別々に扱う譲歩案も示したが失敗に終った。

  農業

世界中の参加国がまず2つのグループにわかれた。発展途上国連合のG21と農産物輸出大国であるケアンズグループ、そして他方は大規模な補助金を使い農産物を輸出しているアメリカやヨーロッパである。競争原理に反していると思われる国内農家援助、他市場へのアクセス、輸出援助など3つの農業政策について言及した。

3つの政策についてG21はアメリカやヨーロッパの取り組みは不充分と非難した。以下の点についての協議は延期された。

  • 国内援助、生産の均整のとれた補助
  • ヨーロッパやアメリカにおいて非常に問題となっている農産物の価格安定のための直接補助金の上限設定。
  • すべての農産物に対する補助金の完全撤廃の明確なる期日設定

  農産物以外の市場参入について

この問題においても先進国の農業問題での譲歩が足りないこともあり、先進国の要求は発展途上国にとって過大であると反発を受けた。しかしながら高関税率の低減や産業推進政策のための関税障壁については一定の進歩があった。

発展途上国に品目ごとに他国と同様の関税率を定めることを要求したが、いくつかの発展途上国では、関税からあがる税収が貴重な政府の財源となっている国もあり、また、繊維などの品目では特に中国との競合を避けたい思惑もあり、協議はまとまらなかった。

  綿花

サハラ地方の国々(マリ、ブルキナファソ、ベニン、チャドの国々)は綿花栽培に一国の経済を依存しておりカンクンの会議で綿花問題を取り上げる様に要求があった。この問題により先進国の国際貿易における2重基準を浮き彫りにすることとなり、発展途上国の不満は爆発した。アメリカは自国綿花栽培農家に毎年40億ドルの補助金を供与している。この問題に対する先進国側からの明確な回答はなかった。

金持ち国はもうWTOを支配できず(ファイナンシャル・タイムズより)
Gwynne Dyer

先週のメキシコで非常に重要なことが起こった。カンクンでの146各国の貿易交渉が決裂し、ヨーロッパとアメリカの貿易交渉者は怒りをぶちまけた。

ヨーロッパ貿易委員会の委員長パスカル・レミー氏はWTOを時代遅れの代物で、早急に改革が必要と断じた。アメリカの貿易推進委員会代表のロバート・ゼーリック氏はぶっきらぼうにWTO以外の方法を考えると脅した。「我々は市場を開拓しつづける、我々は永遠に待つわけではない。我々は違う方向を模索する。」

ゼーリック氏が明らかにしたように「違う方法」とはWTOの多国間協議という枠組を捨て去り、貧しい貿易相手を金持ちの経済国が圧倒する2国間協定に移行することを意味する。

レミー氏は「我々も対応を考えなければならない。貿易の多国間協定を最重要課題として扱うかどうか、このような失敗にもかかわらず、今後も多国間協定にこだわるのか?」と語った。

ヨーロッパとアメリカがカンクンで気ままに振舞えなくなってきた事実は衝撃的だ。WTO、IMF、世界銀行そして国連も富国間どうしの利害調整をする機関として発足し、活動してきたが、発展途上国を徐々にそのメンバーに加え始めたが、依然として機関の運営は富国の手にゆだねられたままであった。カンクンでの協議を境に富国の分割統合政策は突如として機能しなくなった。

カンクンで初登場したグループ21の存在は産業界に労働組合がはじめて結成されたと同様の衝撃を国際貿易の分野にもたらした。突如として経済弱者が徒党を組むことにより強力な交渉力を得た。

中国、インド、ブラジルを筆頭とし、中進国の南アフリカ、アルゼンチン、エジプト等の国々が一団となって富国の政策に反対を加える団結力には目を見張るものがあった。無条件にWTO加盟国を拡大させる政策は明らかに危険性を孕んでいる。WTOにより先進国が発展途上国市場に貿易のルールを押しつけることは可能である一方、多くの発展途上国が一致団結して先進国の手前勝手なルールに対して抵抗を示す危険も孕んでいる。

実際には、西側諸国が自国の農産物輸出促進のために補助金を出したり、農産物輸入に対しては高関税率を課し、発展途上国の農業を壊滅に追いやっていたが、今まで発展途上国が一致団結して先進国の決めたルールを阻止することはなかった。富国は常に経済的に脆い発展途上国を政策的にいじめていたが、発展途上国間で一致団結するという作戦は2年前に中国がWTOに加盟するまでは見られなかった。

インドとブラジルは以前にもこうした連帯で交渉しようという方向性を何度か模索していたが、今回、いじめたり脅したりするには巨大過ぎる大国である中国の参加を機にG21は結成された。

「交渉の場で対等に扱われたのはこれが初めてだ。発展途上国と先進国との間での交渉の質の変化だ。」と南アフリカの貿易大臣は語った

この新たな交渉力学の変化がカンクンでのWTO会議を失敗に導いた。ヨーロッパとアメリカの交渉担当者は、厚かましい要求ばかりで、こうした発展途上国の動きに対し全くの準備不足であった。ヨーロッパは1988年に拒絶された投資行為の相互開放をヨーロッパの農産物輸出品の補助金を単に45%削減することと引き換えに交渉したが当然、抵抗に遭った。

先進国はG21のメンバーの切り崩しに入ったり、WTOのプロセス事体を解体すると脅したが、成功しなかった。メキシコ人議長はアフリカ諸国の代表が交渉の席を離れたのを機にカンクンでのWTO会議の終了を宣言した。G21の非公式の代表者であるブラジル外務大臣セルソ・アモリム氏は「今回は失敗ではなく、中・長期的に我々は楽観的である。われわれは交渉の幅を広げた。もし合意できれば、世界システム全体に資するであろう。」と語った。国際貿易の使命は単にフランスやアメリカの農民や先進国の多国籍企業の利益に資することよりも重要なことがあるはずだが、こうした強者の利益を尊重しつづけている。

労働組合が資本主義を打ち破る事なく、権力の再分配を計ったようにG21は国際貿易を打ち破るのではなく、利益の再分配を計ることである。

富国の交渉者は交渉の場に戻り、お互いの立場を再確認するであろう。WTOにおける富国支配は終った。世界銀行やIMFやUNといった富国が創設した国際機関についても同様の運命が待ち構えているのかもしれない


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■フェアトレードに関する各国政府に対する公開状
2003年9月

カンクンでのWTO大臣級会議において、我々フェアトレード推進運動を展開するメンバーは、世界の貧困棒滅や持続的発展の精神に沿ったフェアトレードの推進と世界規模での貿易システムの構築に各国政府や国際機関が尽力を注ぐように要請する。

フェアトレードとは

フェアトレードとは、今から40年以上前から始まった社会運動であり、貿易を通じて生産者や労働者の生活水準を持続的に目覚しく改善し、一方では、自然資源や環境を守ろうとする試みである。当初は草の根的活動であったが現在では、世界的ネットワークを形成し、何千もの小規模生産者グループや貿易会社、そして何千万の消費者に直結する貿易システムを組織するフェアトレード・ラベル認定組織が一体となって活動している。

フェアトレードとは、国際貿易に公正の概念を持ち込むために参加者間の対話、システムの透明性そしてお互いの尊厳に基づいた貿易を通じたパートナーシップである。フェアトレードは、特に発展途上国の社会・経済的に不利な条件を強いられている生産者や労働者の権利を確保し、彼らによりよい条件を提示することによって世界経済の継続的発展に貢献している。フェアトレード組織は(消費者の支持を背後に受け)、生産者を応援し、社会的啓蒙活動を展開し、従来の国際貿易のルールと慣行を変えていこうという活動を展開している。

南アメリカ、アフリカそしてアジアの40カ国で500万人の生産者がフェアトレードの恩恵を享受していると推定される。IFAT(the International Federation for Alternative Trade)が、200以上のフェアトレード企業と生産者組織の代表として、また、FLO-I(the Fairtrade Labeling Organizations International)が、アメリカ、カナダ、ヨーロッパや日本の17各国フェアトレード・ラベル推進組織の代表となっている。

2002年のフェアトレード製品の全世界での売り上げは4億ドルを突破したと推定され、その市場は急拡大している。世界での平均売上高は、昨年には、年率21%を記録し、オーストリア、フランス、ノルウェーでは、100%以上の急拡大を遂げ、アメリカでのフェアトレード認定コーヒーの売上高は、年率46%上昇し、スイス、カナダ、イギリスでのフェアトレードの伸び率は、年率30%を超えた。

生産者、消費者そして貿易業者がフェアトレードを成功に導く主役であるのは言うまでもないが、各国政府や国際的機関の役割も重要である。

フェアトレードを通じて持続性のある発展と貧困撲滅を目指す

我々は、フェアトレードに対する援助と投資を一般社会とビジネスに携わる方々同様、各国政府や国際的機関に対しても要請する。

ヨーロッパ共同体と一緒になって各国ヨーロッパ政府は、これまでにもフェアトレードとフェアトレード・ラベル組織に支援を行ってきた。しかし、現在、我々は以前にもまして各国政府に対してフェアトレード・システムの成長を妨げることなく発展させるであろう先見性のある政策、並びに、貿易協定の批准を要請する。

フェアトレード推進を、現在の貿易が内包する構造的不公正に対する抜本的政策変更を怠る言い訳として利用することは許されない。フェアトレードは、より公正なる貿易システムとしてのモデルである。我々は、発展途上国の人々が貿易を通して発展できるように彼らに公正なる機会を与えるように政治家に対して強く要求する。

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主な政策要求

1.  各国政府は、各国の発展政策や貧困撲滅プログラムに正式にフェアトレード支援を組み込むことを表明すること。

  • 世界銀行、国連発展プログラムそしてWTOなどの国際的機関との整合性がある適切な政府政策プログラムを推進するにあたって、我々が、ここで定義するところのフェアトレード政策の発展と採用を政府の政策に盛り込む。
  • 生産者組織に対するビジネスサポートサービスとして小規模生産者への信用供与やローン保証プログラムの創設を支援する。
  • フェアトレードの監視や認定プログラム及び発展途上国におけるフェアトレードの影響調査などを支援すること。
  • 消費者啓蒙キャンペーンを支援すること。
  • より広範囲のフェアトレードと産業界とのパートナーシップ構築の奨励

2.  各国政府は、政府や国際機関において国、地域、地方レベルでの政策にフェアトレードの基準を盛り込むように積極的に働きかけるべきである。

3.  WTOへの要求

貿易政策は、いわゆる“1つのサイズにすべてをぶち込む”式の経済政策である自由化を推進、または強化してはならない。

貿易政策は、発展途上国の零細小中企業や農業セクターの市場への完全な参加を前提として、公正で透明性のある民主的な方法で議論されなければならない。

貿易政策は、例えば、PPMに基づく選好的購買や自発的選好による制限などなしにフェアトレードに参加できるように生産者や消費者の権利を擁護し、フェアトレードが成立しやすい環境整備を推進しなければならない。

  • 輸出ダンピングを禁ずるWTOのルールは厳しく施行されなければならない。
  • 世界商品協定は、農民が公正な価格を受け取ることが可能となるように定めなければならず、一方では消費者と自然環境を保護しなければならない。
  • 貿易ルールは、歪んだ市場圧力や食糧や農業セクターに君臨する多国籍占有企業の貪欲なビジネス業務を制御しなければならない。
  • 各国政府は、社会や環境重視の政策を遂行せねばならず、この目的に反する提案は拒否せねばならない。
  • 貿易の関税や輸入障壁に関しては、発展途上国の小規模農業従事者の市場へのアクセスを改善するために関税率の低下、輸入障壁の撤廃が求められる。この市場へのアクセスは、市場調査、値決め、製品デザイン、品質保証、健康への配慮、安全基準設定、輸送といった広範囲にわたって、どの段階でも常に発展プログラムと結びついていなければならない。
  • 各国政府は、社会、経済、男女問題、自然環境への配慮を怠らず、協定を批准するにあたっては、社会と環境に及ぼす影響を精査しなければならない。
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アフリカの観点から見た国際貿易における「フェアトレード」と「フェアー・プレイ」の概要
Isabelle Mamaty

はじめに

公正なる貿易推進の重要性を確認するに当たって、世界貿易におけるアフリカ諸国の位置付けを確認しておくことは重要である。

世界貿易機構WTOによる多国間貿易システムにおけるアフリカ諸国の役割についても本稿末にて言及したい。

世界貿易全体に占めるアフリカ諸国の割合は年々、低下しており、アフリカ諸国の世界貿易からの排除がより鮮明になってきた。1980年代に4%であったその割合は90年代後半には1.7%にまで低下している。

農業はアフリカ経済の大部分を占める最も重要な産業である。農業は国内総生産の実に30%を占め、勤労者の60%を雇用し、外貨獲得のための主な源泉であり、また、地方住民の所得獲得のために不可欠な産業であり、アフリカ人の生活基盤を形成し、そして栄養を供給することにも多大な貢献をしている。アフリカ諸国にとっての農業交渉の重要さが理解して頂けると思う。

国際農業交渉へのアフリカ諸国の参加は、年々、活発になってきており、特にウルグアイ・ラウンド以後はその傾向は顕著であり、WTOへのアフリカ諸国の参加は増加の一途をたどっている。実際に、WTO加盟国の30%近くがアフリカ諸国で占められている。しかしながら、財政や人的資源に制約のあるアフリカ諸国はWTOにおいても十分な広報活動や交渉が困難であり、アフリカ諸国を壊滅に追い込む貿易大国に利するWTOのシステムに不満を募らせている。

カンクン:争点と不確定要素

メキシコ、カンクンで5回目の大臣級会議が2週間の日程で開催されたが、実際に必要とされている交渉は未だに開始されていない状況だ。ドーハでの会議後に結成された作業グループの責任者たちは作業の進捗具合に不満を述べ、ドーハでの約束を遵守するために追加会議が今年の夏に行われた。

数多くの意見の不一致が国々の間で存在する。

・サービス分野においては、参加国が少なく交渉の結果を危うくしている。(現在までにたった30カ国の参加となっている。)

  • 貿易における知的所有権協定ADPIC、多国間協定遵守、ワインやアルコール類などの産地名の登録商標問題などがカンクンで話し合われる予定であったが未だに結論はでず。医療問題(遺伝子情報を利用した薬品)については加盟国(対象となる病気や製造権を持つ国の被選挙資格等の問題)の間で交渉の枠組みが未だに決まっていない。
  • 非農産物の関税率削減についても討議中。
  • 農業についても2003年3月末を最終期限とする交渉の枠組みが未だに決まらない。アフリカ諸国にとって農業問題は最大の争点である。すなわち農業問題は非常にデリケートであるので柔軟な対応が求められており、市場への参入を確保するための最良の方法(最高関税率、累進関税率、補助金等の撤廃)を確立し、最適な世界貿易貿易システムを損なうことを防がなければならない。

加盟国それぞれの利害が対立し、合意には至らなかった。ほとんどすべての交渉議題についても最終期限が過ぎてしまった。総括すれば現在のところ経済発展に関するドーハでの約束を遵守することは非常に困難であることを認めなければならない。

結論として

1.  現在のところアフリカ諸国にとってはルールに基づいて運営する多国間貿易システムへの参入の方が二国間協定という力関係を重視したシステムより明らかに利便性は高い。しかしながら、いわゆる参加者全員に同じルールを課すという“公平”に基づいたシステムでは参加者が公平な条件を有してない以上、公正なる運営は望めない。生産能力の隔たりは現在のところ認知されるようになり、対応策としては技術援助や最恵国待遇(TSD)などであるが、強者が弱者を搾取し支配する行為は依然として続いており、しばし交渉外で弱者に対し不当な圧力をかけている。

2.  貿易交渉のテーマ拡大に伴い、ほとんどすべての国内政治の領域(医療、教育分野など)が交渉の対象となっている。また、経済発展、貧困撲滅や食の安全といった最重要課題にも取り組まなければならない。カンクンや今後の交渉においても、アフリカ諸国だけでなく、多国間貿易協定の信頼性にとっても、また、発展途上国の立場を十分に配慮した経済協力開発機構加盟国の政策の信頼性にとっても、これらのことは主要な争点である。

3.  アフリカ経済を世界貿易システムに統合する選択をしたアフリカ諸国は今後も交渉の結果や公正なる世界貿易システム構築に重要な役割を果たすであろう。アフリカ諸国はアフリカ諸国の中でも不安定な国の被害を最小限にとどめることのできる補償制度を構築する一方で、具体的な条件を設定した最恵国待遇を確立するために一致団結して提案し、こうした条件を獲得していかなければならないが、さまざまな困難が予想される。こうした条件が整ってこそアフリカ諸国の交渉権は保障される。

4.  公正なる貿易を推進し、世界貿易の中にアフリカ諸国を統合していくための最良の方法とは何であろうか?現在のところアフリカ諸国の世界貿易参入は、発展途上国の世界貿易に占める割合は小さく貿易品目の数も少ないこともあり“市場の隙間”に留まっている。将来的にも発展途上国の世界貿易に占める割合が増大していくことを予想することは困難である。最後にアフリカ諸国を世界貿易に統合していくことを推進していくに際して特に供給側には貿易に制約が掛り、また、そこで生じた問題を解決することは困難である。世界のほとんどすべての貿易をつかさどる世界貿易システムがより公正で、また、より発展していく世界経済にアフリカ諸国が統合できることを目指して他の国々との交渉するにあたってアフリカ諸国は一致団結する必要がある。貿易の公正を推進する際には、教育の重要性を再認識しなければならない。公正なる貿易推進とは、いずれは先進国の人々の生活様式、特に消費生活の根本的変革を迫るものでなければ地球上の資源分配の公正性を保つことはできないということを先進国の人々にわかってもらう必要性がある。

作者の紹介

コンゴ人Isabelle Mamatyは現在、フランスのパリを拠点としてフリー・ランスのコンサルタントとして活躍中。ICTSDやアフリカ連合、サハリクラブ、経済協力開発機構の西アフリカクラブ、CTA、ACPの事務長を兼任。以前はFAOによる国内農業市場、南側諸国の流通や国際貿易協定(WTOやCotonou等)の構造改革の分析に3年間を費やす。経済協力開発機構による温暖化環境問題にも積極的に携わり、また、セネガルのENDA第三諸国の会においてアフリカの経済発展戦略会議のメンバーでもある。経済学博士、世界経済にアフリカ諸国を統合するテーマでいくつかの著書がある。


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