■2003年12月マックス・ハベラー・スイス財団の現況報告書


マンゴーとパイナップル:やる気になった生産者

フェアトレードのコンセプトのおかげで、メキシコのこのマンゴー栽培者は、よりよい生活条件を獲得でき、彼の生活は安定した。

「以前は40 トンのマンゴーの売上で車1台が買えた。 今日では、 120 トンの売上でも買えない。」太平洋沿岸に位置するマンゴー生産者組合 FRUSSI の Ramon Garcia 氏は、彼の地方でのマンゴーの市場価格低迷を嘆く。ほんの少し前までは、マンゴーは、先進国ではあまり知られていない地方だけで消費される果物であったが、ここ数年以来、多くの消費者に受け入れられるようになり、新たにマンゴーの木を植えてマンゴーを商品化した。結果として、市場価格は低迷し、輸出条件はますます厳しくなった。

コスタリカでは、状況は異なるが問題となっているのはパイナップルである。長年にわたり先進国市場に輸出しているが、果物を扱う多国籍企業により市場は独占されている。ここでも問題となっているのが小規模栽培者に対する不当に安い賃金である。 ASOPROAGROIN という生産者組合のメンバーたちは、 4ヘクタールから 15ヘクタールの土地を耕作している。彼らは、販売を多様化させ、納得のできる価格で取引してくれる買い手を見つけ出さなければならない。この市場では、大地主が王様であり、価格決定権を握っている。

2002 年後半、マックス・ハベラー財団(スイス)とそのパートナーたちは、スイス市場においてフェアトレード商品としてマンゴーとパイナップルを商品化した。コスタリカやメキシコにおいて作物の栽培や商品化について最新式方法で取り組みたいと希望するパートナーたちと出会い、小規模生産者や労働者と話す機会を持った。疑う余地もなく、最低限の価格保証、厳しい社会的・環境的生産条件、継続的発展に資する活動のために使う余剰金といったフェアトレードの国際基準を遵守することにより生産者と労働者に対してきちんとした生活を保障できるようになった。マンゴーとパイナップルの生産者にとって、この枠組みをさらに拡大していくことが重要である。生産者のために、そして環境のためにやるべきことは山積している。多くの消費者の支援により、今年から始めたこの試みは、我々のパートナーとのつながりをさらに強化させることになった。

Didier Deriaz


コスタリカの生産者組合 ASOPROAGROIN で働く人々は、共同体と環境にやさしいフェアトレードから生じる利潤により賄われたプロジェクトからまもなく恩恵を受けることができるであろう。

昨年よりスイスではフェアトレード・マンゴーとパイナップルが登場した。この 2 つのエキゾティックな果物はスイス市場で順調なデビューを果たした。 2003 年を通じてスイス市場でのマンゴーの品薄感が継続する事態になれば、現在、ブラジルで行われているフェアトレード認定業務を前倒しすることにより、来年度には、品薄感解消に向かうであろう。フェアトレードに関わる生産者たちは、フェアトレードから生じる利潤により賄われた最初のプロジェクトをまもなく実現に移すことになるであろう。


異国情緒、新鮮さ、公正さが合体したとき

2002 年の 12 月と 2003 年 1 月にフェアトレード・パイナップル、続いてマンゴーがスイス市場に登場した。これらの異国情緒たっぷりの果物は、栽培者組合または中規模プランテーションにより栽培されたものだ。パイナップルは、同じ場所で年間を通じて栽培できる。最高の品質のものを先進国の需要に適宜に供給するためには、栽培者は、作付けなどの栽培時期を適切に調整する必要がある。


フェアトレード利潤により賄われた最初のプロジェクトの実現

マックス・ハベラーにより認定されたガーナのBomarts Farms 株式会社とコスタリカのASOPROAGROINは、既に500トン以上のパイナップルをスイスに供給した。フェアトレードによる利潤は、全体で2万ドル近くに上った。この余剰資金は、出荷量に応じてパートナーである生産者に分配され、共同体プロジェクトの実現に向けて自由に使うことができるようになっている。ここで言うプロジェクトとは、例えば、飲料水を汲むためのセメントで固めた井戸の建設やらプランテーションで働く人々の権利や義務を認知させるための労働基準法の作成などである。


マンゴーは季節商品である

マンゴーの状況は、パイナップルよりも複雑である。インドが原産国であるこの果物の種類は、何千にも上るが、ほんの10種類程度しか輸出されていない。同じ場所で年間3ヶ月しか収穫できない。一本の木から10種類ほどの異なった大きさの実をつける。市場では、約4種類のサイズのマンゴーの需要は、大きく、これらのサイズのものは、すぐにさばける。しかし、このほかのサイズのものは、一般的には地方の市場において消費されたり、果肉やドライフルーツとして形を変えて輸出向けに使われているが、これらのサイズのマンゴーについても我々の市場に流通させなければならない。ちなみに収穫時期は、天候条件に大きく左右され、収穫時期が23週間前後する。我々の市場に継続的なマンゴーの供給を確保するためには、いろいろな国々から、また、異なった大陸から3ヶ月ごとに供給先を変えていくことが必要だ。すべての関係者にとって最大の挑戦は、さまざまな生産者グループやさまざまな地方の生産者による供給先とその運搬手段を確保し、ヨーロッパ市場の需要とうまく対応させることである。例えば、アフリカにあるブルキナの小規模生産者組合であるブルキナ果物野菜組合(UFMB)は、有機栽培のマックス・ハベラー印のマンゴーを供給している。2003年の収穫時期である4月から6月にかけて象牙海岸で勃発した内戦により輸出業者は、ガーナのテーマ港からのヨーロッパ向け出荷を余儀なくされた。不測の事態がスイス向けマンゴーの出荷を大幅に遅らせた。

供給が途絶える事態は、過去のことになりつつある。

2004年にマックス・ハベラー財団(スイス)は、スイスの輸入業者や小売商経由のフェアトレードマンゴーとパイナップルの仕入先の地域多様化を主な目標と定めている。特にマンゴーは、年間を通じて入手可能とならなければならない。現在、ブラジルにおいて積極的に認定業務が行われており、2004年までにはこの目的は達成できるであろう。ラベル認定されたマンゴーの商品化から2年目である。街角のお店から大手流通業者まですべての流通業者は、より多くの消費者に対してフェアトレード・トロピカルフルーツの継続的な供給を行わなければならない。

Constantin Kostyal


新製品と新しいパートナー

マックス・ハベラー・ファミリーは、新製品と新しいパートナーを増やしながら絶え間なく拡大を続けている。このようにして消費者は、消費者の普段の選択を通じるという具体的な方法で先進国と発展途上国の間のよりバランスの取れた関係を構築するために貢献できるという大きな可能性を得たことになる。マックス・ハベラー財団(スイス)の新たな製品とパートナーを紹介する。

製品の種類              内容量                   原産地                               パートナー流通業者


                        Denner

マックス・ハベラー財団創立11年後、数種類のフェアトレード・コーヒーが、ディスカウントショップ流通チェーン店Dennerの商品棚に登場した。7月以降、Dennnerでは、500gの袋に入ったマックス・ハベラー印のエスプレッソ・コーヒーを販売している。この新しい製品のおかげでDennerのお客さんたちはフェアトレードの推進に貢献しながらコーヒーを味わえるようになった。

ロンドンでのFLOフェアトレード・フォーラムとカンクンでのWTO会議
ロンドンでのFLOフェアトレード・フォーラムの様子。51カ国から300人以上のフェアトレード関係者が集まり活発な意見交換を行われた。

9 月に行われた 17 カ国のフェアトレード各国推進団体の代表者、認定された生産者の団体、輸入業者、輸出業者、ライセンス取得者、フェアトレードに関心のある団体などが集まり、 FLO ( Fairetrade Labelling OrganizationInternational )の国際ネットワーク第 2 回フォーラムが、ロンドンで開催された。  

FLO のフォーラムでは、フェアトレードの趣旨や将来に向けた戦略を論じる絶好の機会である。 FLO の 2003 年から 2008 年までの戦略プログラムのプロジェクトが、議論の中心であった。今回の議論の対象となったこととしては、生産者や企業による認定書発行の基本料金についてであった。連帯した力強いメッセージが「フェアトレード・フェアーと継続性のある貿易シンポジウム」の参加者に発せられた。このフォーラムは、メキシコのカンクンでの WTO の第 5 回会議と同時期に行われた。公正の原則を発展させ、いわゆる発展途上国の組織された生産者をまとめて WTO 会議に参加させるようにロンドンのフォーラムは、カンクンの会議に出席するすべての国の代表者に要求した。より明確なルールと公正性の概念によりすべての生産国及び消費国においてこれらの原則は、フェアトレードを強化し、積極的に推進していかなければならない。

Chrisoph Leistner

コーヒーの危機に全員で向き合おう

国際市場で継続するコーヒーの危機の主な原因とその帰結にどのような方法ですばやく簡単に消費者の関心を引き付けることができるであろうか?  2003 年秋のコーヒー・キャンペーンを通じてベルンでの宣言と claro フェアトレード株式会社は、この問題を提起し、生協と協力して小さなパンフレットを作り上げ、 1 週間にわたり生協と claro が共同開発したマックス・ハベラー・コーヒーのすべてのパッケージに添付した。生協の Naturaplan の責任者である Stefan Kausch 氏は、この試みに大変満足している。「 claro とマックス・ハベラー合同により進められた今回のキャンペーン結果は、極めて前向きである。昨年と比較した場合、フェアトレードコーヒーの売上は、倍増した。」

claro フェアトレード株式会社の広報責任者の Guido Munzel 氏は語る。「パンフレットの作成は、 claro の店の売上に直接的な効果は現れなかったが、この試みにより生協や他のスイスでのフェアトレードの他のパートナーにコーヒーの危機の問題と向き合ってもらうことができた。」

Chrisoph Leistner

彼女たちはコーヒー豆の厳密な選別により適正な報酬を受けることができる。


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