参加団体インタビュー

第13回 株式会社 フェアトレード コットン イニシアティブ

「悲しみから生まれたコットンは要らない」――アパレル業界におけるフェアトレードへの取り組み


今回は、株式会社 フェアトレード コットン イニシアティブ 代表の入江様にお話を伺いました。FLJがインタビューさせて頂くのは、今回が二回目となります。




インタビュアー
フェアトレード・ラベル・ジャパン
田中 千晴(学生インターン 慶応義塾大学 総合政策学部 3年)

小暮 香織(学生インターン 中央大学 法学部 5年)

取材日:2015年7月23日(木)



平成27年7月22日(水)~24日(金)に、繊研新聞社が主催するJFW インターナショナル・ファッション・フェアが行われました。本イベントは、日本で最大のファッションビジネス合同展示会です。 今回は、新たに「サステイナブルファッションエリア」が設置されました。このエリアには、フェアトレード、エシカル、オーガニックなどに重点を置いたブランドが出展しました。その一つが、㈱フェアトレード コットン イニシアティブさんです。 長らくアパレル業界で活躍されている代表の入江さんは、世界の工場の悲惨なものづくりの現状を目にしてきました。そのような状況を改善したいという強い思いから、フェアトレード認証コットン製品を取り扱う㈱フェアトレード コットン イニシアティブを立ち上げられました。

今年度は、インドのアパレルブランド「no nasties(ノーナスティズ)」と提携することが決定しました。「no nasties」は、インドで初めて国際フェアトレード認証コットンのライセンスを取得したブランドです。それを受け、上記のファッションイベントでは、この「no nasties」のTシャツが、スタッフTシャツに採用されました。 今回のインタビューでは、「no nasties」との提携までの道のり、スタッフTシャツ採用の経緯、そして国際フェアトレード認証コットンに対する消費者や、アパレル業界の意識の変化についてお話を伺いました。

写真:㈱フェアトレード コットン イニシアティブ作成のパネル

 

 

Q: no nastiesと提携して、スタッフTシャツが採用された経緯をお聞かせ下さい。

no nastiesのスタッフTシャツ着用風景
入江さん

no nastiesとの提携話を持ってきてくれたのは、インドのムンバイにある、とある日本企業の方でした。その方から、フェアトレードやオーガニックに興味のある日本企業はありませんか、というお話がありました。その後、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会の方が、あいだに入ってくださり、話が進んでいきました。そして、私自身がムンバイへ行き、no nastiesの方とお会いしました。その場で、お互いの方針や考えに意気投合し、提携する運びとなりました。既に35か国で販売実績があるブランドですが、日本では当社が独占販売契約を結びました。 今回のファッションイベント開催にあたって、no nastiesのTシャツが、スタッフTシャツとして採用されました。毎年、本イベント主催者の方と、「今年は何を目玉として打ち出そうか」ということを考えます。今年は、ちょうどno nastiesと契約が決まった年でした。そこで、no nastiesのTシャツをスタッフTシャツにしよう、という話があがり、採用していただくこととなりました。このイベントには約2万人の来場が見込まれています。スタッフTシャツに採用されたことで、より多くの人にフェアトレードのこと、そしてno nastiesを知ってもらえるのではないか、と期待しています。


スタッフTシャツ(赤)

スタッフTシャツ(緑

 

Q: 昨年行われた同イベントから1年経て、国際フェアトレード認証コットンに対する消費者、そして、アパレル業界の認知度に変化はありましたか。

入江さん

この1年で、消費者、アパレル業界ともに、国際フェアトレード認証の認知度は、かなり上がったと感じています。とくに、最近は、消費者の方がとても興味をもっているなと感じています。この消費者の意識の変化を受けて、百貨店やセレクトショップも、フェアトレード認証コットン製品の取り扱いに意欲的になっています。

最近、「エシカルファッション」という言葉を耳にする機会が多くなりました。しかし、「エシカルファッション」には明確な定義がないことを気にされている企業の方が多いようです。また、エシカル(倫理的)を明確に保証する認証ラベルなども、現時点ではありません。しかし、食品などと同様にアパレル製品にも、製造過程の透明性を望む消費者が増えています。そこで、明確な基準と第三者機関の監査によるFairtrade Internationalの国際フェアトレード認証ラベルが期待されていることを今回特に実感しました。

 

Q: 前回のインタビューで、フェアトレードに携わる苦労を伺いました。では、逆にフェアトレードに携わっていて、よかったなと思うのはどんなときですか。

入江さん

未だフェアトレード認証コットン製品がそんなに普及しているわけではありません。ですから、フェアトレードに取り組んで、よかったと思う機会がたくさんある、とは言えませんが、この活動を数年続けていくことで、相当な量の綿を取引することになります。そして、現地農家の方に与えるインパクトも、とても大きなものになると思います。近い将来、フェアトレードに携わって本当に良かった、と思えるときが必ず来ると確信しています。

二つ目として、フェアトレードに関するビジネスをしていると、いろいろな職種の人と出会えるという利点があります。企業、アパレル業界、そしてNGOやNPOとも、仕事を通して親しくなることができます。フェアトレードが、いろいろな分野で働く方々と、出会わせてくれます。その点は、フェアトレードに携わっていて、おもしろいなと感じるところです。

 

Q: 今回のインタビューを記事にして、FLJのウェブサイト、及びFacebookに掲載させて頂きます。それをご覧になるみなさんに、メッセージをお願い致します。

入江さん

欧米との比較で日本における国際フェアトレード認証ラベル製品は、残念ながらとても少ないのが現状です。日本には約500種ありますが、世界全体では3万種以上あると聞いています。しかし、近年では、アパレル業界からも、フェアトレード製品が販売され始めています。また、取り扱うブランドの数も、着々と増えています。ぜひ、国際フェアトレード認証の製品を、選択肢の一つに入れてほしいですね。そして、多くの方に購入して頂けることを願っています。


入江さんと㈱フェアトレード コットン イニシアティブのブース

㈱フェアトレード コットン イニシアティブの商品

 

インタビューを終えて

インタビュー中も、多くの方が㈱フェアトレード コットン イニシアティブさんのブースを訪れていました。その様子から、入江さんのおっしゃっていたように、フェアトレード製品への関心が、以前よりも高まってきていることを実感しました。

また、日本初上陸のブランド「no nasties」のTシャツを実際に拝見し、その生地のなめらかさや、さわり心地の良さに驚きました。

これまでは、チョコレートやコーヒーは、国際フェアトレード認証ラベル製品のなかで良く知られているものでした。しかし、今後は、コットン製品でも、それらに次いで多くの方に親しまれる可能性を感じました。

入江様、今回も貴重なお話をありがとうございました。

 



【フェアトレード認証コットンにご関心のあるみなさまへ】

(株)フェアトレード コットン イニシアティブの商品についてはこちらをご覧ください。

https://www.scoo.co.jp/

 




【お問い合わせ先】

会社名          株式会社 フェアトレード コットン イニシアティブ

ホームページ    http://www.fairtradecottoninitiative.com/index.html

Email            info@fairtradecottoninitiative.com

フェアトレードとは

フェアトレード・ジャパンについて

フェアトレードのインパクト

製品紹介

参加しよう

認証の取得

資料

コンタクトフォーム
ページトップ